梨屋アリエ『ココロ屋』(文研出版)
★★★☆☆
友だちとケンカして、先生に「ココロを入れかえなさい」と
しかられた「ぼく」(ひろき)。
教室から逃げ出したぼくの前に、ふしぎな音とともに
「ココロ屋」のウツロイ博士が現れた。
研究のために自分のココロを預けるかわりに、
博士がつくったさまざまな種類のココロを
手に入れることができるという。
みんなから好かれるようにまずは「やさしいココロ」を
選んだぼくだが……
*****************************************
今年の小学校中学年の読書感想文コンクール課題図書。
著者の作品は3冊しか読んでいなかったので
あくまでもその時点での認識だったのだけど、
「好きな人はこういうところが好きなのだろうし、
嫌いな人はそれが嫌なのだろう」
という好き嫌いを隔てる強烈なクセみたいなものがある
作家さんだと思っていた。
でもこの本にはそのクセを感じなかった。
灰汁のない、明るくて前向きな話。
自分のココロ(性格)にまつわる話だし、
中学年の4冊の中では、これがいちばん
自分に引き付けて考えやすいのではないかなと思ったのだけど、
意外なことにそうではないみたい。
放っておくと、子どもは
「ウツロイ博士の顔はなぜ変わるのか」とか
「廊下がなぜ長くなるのか」とか、
答えの出ない不思議部分にばかり着目してしまうし、
自分の欠点に目を向けるのに抵抗があるのかしら……
主人公や、身近にいる他人の性格や行動を取沙汰することは
できても、「自分は?」というところになかなか目が向かないみたい。
★★★☆☆
友だちとケンカして、先生に「ココロを入れかえなさい」と
しかられた「ぼく」(ひろき)。
教室から逃げ出したぼくの前に、ふしぎな音とともに
「ココロ屋」のウツロイ博士が現れた。
研究のために自分のココロを預けるかわりに、
博士がつくったさまざまな種類のココロを
手に入れることができるという。
みんなから好かれるようにまずは「やさしいココロ」を
選んだぼくだが……
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今年の小学校中学年の読書感想文コンクール課題図書。
著者の作品は3冊しか読んでいなかったので
あくまでもその時点での認識だったのだけど、
「好きな人はこういうところが好きなのだろうし、
嫌いな人はそれが嫌なのだろう」
という好き嫌いを隔てる強烈なクセみたいなものがある
作家さんだと思っていた。
でもこの本にはそのクセを感じなかった。
灰汁のない、明るくて前向きな話。
自分のココロ(性格)にまつわる話だし、
中学年の4冊の中では、これがいちばん
自分に引き付けて考えやすいのではないかなと思ったのだけど、
意外なことにそうではないみたい。
放っておくと、子どもは
「ウツロイ博士の顔はなぜ変わるのか」とか
「廊下がなぜ長くなるのか」とか、
答えの出ない不思議部分にばかり着目してしまうし、
自分の欠点に目を向けるのに抵抗があるのかしら……
主人公や、身近にいる他人の性格や行動を取沙汰することは
できても、「自分は?」というところになかなか目が向かないみたい。