金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

森美樹 『あたたかな迷路』

2006-06-15 16:35:39 | 06 本の感想
本の感想125:森美樹『あたたかな迷路』(講談社F文庫)
★★★★★

出版社からの紹介ではオムニバス形式の物語だったはずなのに、
一話でまるまる一冊。予定変更??
前二作は大人の女性を主人公にしながらも、
雰囲気が「少女小説」だったのだけど、
今回は大人の恋愛小説でした。
仕事と健康が話に深くかかわっていたのと、
回想が大学時代だったからそう感じたのかな。
比喩の多用でやや読みにくく感じたところもあったけれど、
それも森さんの味ですね。
じわじわ押し寄せてくるせつなさ。
わたしもときめきがほしい……

今回も出てくる食べ物がおいしそうで、おなかがすきました。
ふわふわの出し巻き卵が食べたいよー。

コメント (2)
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ジャクリーン・ウィルソン 『ガールズアンダープレッシャー』

2006-06-15 15:07:32 | 06 本の感想
本の感想124:ジャクリーン・ウィルソン 
『ガールズアンダープレッシャー―ダイエットしなきゃ!!』(理論社)
★★★★☆

正直なところ一作目はそれほどおもしろいとは思わなくて、
主人公と同世代のときに読んだら共感しただろうな……
という程度だったのだけど、二作目のこれはおもしろかった。
他人と比較しないではいられない心理、
自分の個性を認められない感覚というのは
十代の子どもだけが持つものではないからね~。
痩せたいと思うあまり摂食障害に陥りかけるエリー。
まともに自分の姿を認識できなくなっていくのが怖い。
それでもその過程で継母のアンナとぶつかりあい、
心が通っていくのがわかってホロリ。
マグダに対するエリーの漢気あふれる友情にもしびれました。
かっこいい!

エリーがダンのことでほとんどショックを受けていないのに苦笑。
ほんとに気の迷いでしたね。

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桐野夏生 『天使に見捨てられた夜』

2006-06-14 15:09:21 | 06 本の感想
本の感想123:桐野夏生『天使に見捨てられた夜』(講談社文庫)
★★★★☆

がーん……これ、シリーズものだったのか……。
二作目から読んでしまったけれどおもしろかったです。
女性探偵村野ミロを主人公にしたハードボイルド。
離婚歴があったり同性愛者の友人がいたりと、
乃南アサさんの音道貴子シリーズと共通する雰囲気も。
敵方の男と関係を持っちゃったりする主人公のダメさ加減がよい。
前半のエピソードが後半でうまく機能していないところが気になったけれど、
次から次へ意外な事実が明らかになっていくのがおもしろく、
一気に読了。
次は一作目だな。
元夫のことは一作目で描かれているのでしょうか。
なんだかかなりヘビーな事情がありそう……。
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糸井重里 『ほぼ日刊イトイ新聞の本』

2006-06-13 15:11:41 | 06 本の感想
本の感想122:糸井重里『ほぼ日刊イトイ新聞の本』(講談社)
★★★☆☆

「ほぼ日」誕生のいきさつと成長の過程を描いたエッセイ(?)。
わたしが「ほぼ日」の存在を知ったのはおおたうにさんの日記からで、
だから本当に最近の話。
それほど興味はなかったのだけど、この本はおもしろかった。
なにかを作り出そうとする姿勢や、糸井氏の言う「文化祭」のノリ、
楽しいだけじゃいられない経済的な問題。
HP運営にまつわるエピソードを読みながら、
こんなふうに楽しんで仕事ができたらいいなあと思ったり、
はっと気づかされることがあったり。
なにより糸井さんの意欲的な姿勢に感服いたしました。
攻めの姿勢は若さの特権ではないのだなあ。

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はやみねかおる 『都会のトム&ソーヤ (2)』

2006-06-11 16:31:22 | 06 本の感想
本の感想121:はやみねかおる『都会のトム&ソーヤ (2) 乱!RUN!ラン!』
(YA!ENTERTAINMENT)
★★★★☆

栗井栄太さがしが続くのかと思ったら、
二巻にしてすでに正体が明かされてしまいました。
ほかに個性的な登場人物が出てきたせいか、
内人の活躍のほうが絵的に派手なせいか、
十分にスーパー中学生なはずの創也が凡人に思えてきて困る。
「そろそろ、自分にできないことが世の中にはたくさんあるんだってこと、
 理解してもいい年齢だろうに……」
と内人が創也について冷静に感想を述べているところに笑った。

このレーベル、写真を使ってる本もあるけど絵のほうがいいな。
にしけいこさんの絵はかわいらしくて、雰囲気もあってる。
197ページの挿絵のジュリアス、
子どもの体に大人の顔が乗ってるようで怖かったけど。

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北村薫 『語り女たち』

2006-06-11 15:14:02 | 06 本の感想
本の感想120:北村薫『語り女たち』(新潮社)
★★★★☆

先日仕事で、口承文学について書かれた津島佑子「物語る声を求めて」を
読んだばかりなので、内容の一致に不思議を感じつつ読了。
アラビアの王のごとく物語を求める「彼」のもとにやってきた
17人の女たちが語る、日常の中の不思議体験。
文字の色、装飾、文章、どれをとっても美しい短編集。
「夏の日々」「ラスク様」「水虎」が特に印象的でした。
北村さんの文章は本当に透明で清潔だ。

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桐野夏生 『リアルワールド』

2006-06-10 16:28:44 | 06 本の感想
本の感想119:桐野夏生『リアルワールド』(集英社)
★★★★★

昔『OUT』を読んだきりの作家さんですが、おもしろかった!
トシコの隣家の少年が母親を殺害したことからはじまった、
女子高生四人の日常の崩壊。
仲良しグループを作りながら、でもおたがいに秘密をかかえていて、
隠していると本人が思っていることは実は見破られていて、
拒絶したり憎んだり、見下したり羨んだり。
登場人物がいきなりバタバタと死んでしまう展開には唖然としたし、
いまいちすっきりしないラストでしたが、
一気に読ませてしまうだけのパワーを感じました。
ミミズを手助けしてしまう心理はよくわからなかったけれど、
女子高生四人の関係、互いに向けられた感情はリアルだった。
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ジャクリーン・ウィルソン 『ガールズ・イン・ラブ』

2006-06-10 15:15:54 | 06 本の感想
本の感想118:ジャクリーン・ウィルソン『ガールズ・イン・ラブ』(理論社)
★★★☆☆

ちょっぴりぽっちゃりの主人公エリーと、その親友・色っぽいマグダに
ゴスロリ系(?)ナディーン。
ナディーンに彼氏ができたことがきっかけで、
エリーは自分にも素敵な彼氏ができたとついつい嘘をついてしまい、
マグダもたいして好きじゃない男の子に色目を使い、
ボーイフレンドという存在をめぐってひと騒動。
……といった感じの話なのだけど、やっぱり向こうの子どもはススンデるな!
というのが第一印象でした
日本だって最近じゃずいぶん「乱れ」が問題にされているけれど、
それって割と突出した一部の子だけの現象だと思うので……。

エリーに物申す!
恥ずかしくて友達に紹介できないという時点で問題アリだよ、
それって欺瞞じゃないのかな~
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ソニア・フェールチャック『これから女の子になるための女の子大事典』

2006-06-09 16:26:05 | 06 本の感想
本の感想117:ソニア・フェールチャック『これから女の子になるための女の子大事典』(主婦の友社)
★★★☆☆

漫画家の槙村さとるさんが「ネタ本」だと紹介していたので、
興味を惹かれて購入。
ティーンエイジャーの女の子がいだく悩みと
それについてのアドバイスをつづったフランスのベストセラー(らしい)。
思春期の女の子の本棚にそっと入れておいてあげたい一冊。
勝手に画文エッセイみたいなのを想像していたので、
「事典」というにふさわしい文字オンリーの中身にややがっかりしましたが、
四捨五入して三十の身にも参考になることが多々ありました。


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伊藤たかみ 『ミカ!』

2006-06-09 15:17:34 | 06 本の感想
本の感想116:伊藤たかみ「ミカ!」(文春文庫)
★★★★★

かーわいい!!

ずっと読みたかった児童文学。文庫落ちしてると知ってようやく購入。
小学生のユウスケの視点で語られる、双子の妹ミカとの日々。
大人になりつつある自分にとまどったり、家族環境の変化に涙したり、
小さな恋に動揺したり。登場人物がみんなかわいい。
やけに大人びていて、思いやりがあって、でもお母さんを恋しく思ったりする
主人公に胸キュンでした。
おもしろかった!続編も読みたーい!

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