金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

112:桜庭一樹 『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』

2011-09-10 09:51:56 | 11 本の感想
桜庭一樹『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない A Lollypop or A Bullet』(富士見書房)
★★★☆☆

海難事故で父がなくなり、兄は引きこもり。
働く母に代わって家事をこなす山田なぎさは、
早く社会に出て生活に直結した“実弾”を
手にしたいと、自衛官を志望していた。
そんなある日、芸能人の父を持ち、
美しいが風変わりな海野藻屑が転校生として
やってくる。
藻屑に絡まれ、反発しながらもなぎさは
藻屑としたしくなっていくが……

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一時期よく見ていた女の子の読書日記に
何度か登場していたので、題名とライトノベルとしての装丁は
知っていたのだけど、女の子同士のドロドロというか、
いじめの話だと思っていたのでした。
そんなイメージで寝る前に読み始めてしまったものだから、
内容の残虐さに衝撃を受けてで眠れず、
おかげで生活リズムはボロボロです。
むごすぎる……。
前向きな雰囲気漂うラストになっているけど、
実際にこんな体験をしたら、
一生もののトラウマになるんじゃないだろうか。
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111:中京テレビ『サルヂエvol.2』

2011-09-07 21:10:42 | 11 本の感想
中京テレビ『サルヂエ Vol.2』(ワニブックス)
★★★☆☆

仕事で毎週やっている余興というか、
小ネタみたいなもののネタ集めのために借りてきたもの。
テレビ番組の内容を本にしたものらしいのだけど、
この番組自体、まったく知らず、聞いたこともない。
内容は、一時はやっていた「ある・なしクイズ」や
「なぞなぞ」。
なぞなぞは「おお~っ!」というのが
少なかったな。



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110:恩田陸 『メガロマニア』

2011-09-07 10:20:13 | 11 本の感想
恩田陸『メガロマニア―あるいは「覆された宝石」への旅』(NHK出版)
★★★★☆

中南米の旅行記に、そこで着想を得た
物語の予告編のような掌編を収録したもの。
恩田陸の『上と外』は、読んだのが昔すぎて
記憶もおぼろなんだけど、
あれは南米が舞台だったんだよね。
南米の遺跡、いいなあ。
往復が大変そうなので、限られた時間で
がっつり効率よく観光したいときには
不向きかもしれないけれど、ロマンがある。
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映画:『ソーシャル・ネットワーク』

2011-09-06 10:09:56 | 映画の感想
映画:『ソーシャル・ネットワーク』(デヴィッド・フィンチャー監督)
★★★★☆

ハーバード大学に通うマーク・ザッカーバーグは、
付き合っていたエリカに「性格が最悪」と評されて振られ、
エリカの悪口をブログに書き込むと同時に、
腹いせにハッキングして学生名鑑からダウンロードした
写真を使い、女の子の外見を評価するサイトを立ち上げる。
サイトは潰されたものの、このときに発揮した能力が
ボート部のウィンクルヴォス兄弟たちの目に留まり、
新たなSNSの立ち上げに関わることになる。

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公開中に見にいけなかったもの。
自分を振った女の子への嫌がらせから
始まったフェイスブックの立ち上げ、
やがて起こる仲間との仲たがいや訴訟を
訴訟中の場面と回想を交えて描いた作品。
おもしろかった~。
実際のところはどうだったにしろ、
映画中、主人公に悪意はなく、
ただ何も考えていないだけだという点と
最後まで自分を振った女の子を好きな点で
見る人の好感度はキープできていそうな気がする。
「こうしたらどうなる」というシュミレーションを
全くしてないんだよね、この主人公。
実話なのでいろいろ気を使うところがあるのかな。
本当に悪い人が登場しない。

ウィンクルヴォス兄弟の片方がかっこいい。
「お金持ちのほうが性格がいい」という説を
体現しているなあ。
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109:太田正文 『人生を変えたければ「休活」をしよう!』

2011-09-06 09:49:35 | 11 本の感想
太田正文『人生を変えたければ「休活」をしよう!』(サンマーク出版)
★★★☆☆

まだ一冊残ってた。
もらいものの本は、本当にこれでラスト。
本の帯とか雑誌の表紙で「人生を変える○○!」みたいな
文句をよく見かけるところを見ると、世の中には
人生を変えたい人が多いんだなあ……

写真を見て気づいたけど、この人、
病院の待合室で読んだ雑誌の「朝活」特集で見たことがある。
いまいち気がのらないままに読んだせいか、
ストレートに胸の内に入ってこなかったな。
自分の中に、仕事と家庭以外のものを作る、
という話は、心理学の勉強会でも聞いたことがある。
柱が多ければ多いほど、どれか一つが折れても
ダメージが少ないのだそう。
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108:桜庭一樹 『少女七竈と七人の可愛そうな大人』

2011-09-03 09:28:00 | 11 本の感想
桜庭一樹『少女七竈と七人の可愛そうな大人』 (角川書店)
★★★☆☆

「いんらん」な母親から生まれた七竈は
人並み外れて美しく育ってしまったがために、
田舎町で居心地の悪い思いをしながら
暮らしている。
美しい少年・雪嵐だけを友として、
鉄道を愛して生きる七竈だが、
成長するに従い、自分の出生の秘密を
隠し切ることができないと悟り……

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読み終わったときにはそれほどの印象は
なかったのだけど、後から思い返すと切ない。
物語の主軸になっているのは、
母と娘の間の葛藤。
母親の影響を受けずにはいられない娘は、
母親を許すか許さぬかで苦しみながら、
母の呪縛から生涯逃れられない。
少女時代の終焉と別離のセンチメンタルな感じと
冬の静謐な風景が相まって、
ラストには清冽な印象が残る。
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107:桜庭一樹 『青年のための読書クラブ』

2011-09-02 08:28:39 | 11 本の感想
桜庭一樹『青年のための読書クラブ』 (新潮社)
★★★☆☆

東京山の手にある聖マリアナ学園。
お嬢様たちが通うこの学校の異端者だけが集う
「読書クラブ」には、正史には決して記されない
学園内の事件を書き留めたクラブ誌があった。
部員たちが本名を隠して書き綴った出来事は、
いずれも学園にとっては禁忌の事件であり、
クラブ誌は脈々と受け継がれてきたが……

********************************

いわゆる女子校もの。
「クララ白書」「丘の上のミッキー」はおもしろかったなあ。
「マリみて」も、代替わりまでは読んでた。
実際女子校に通っていた子がいうには
「あれはファンタジー」だそうだけど、
共学育ちには別世界なので他人事として楽しい。

この本に登場する主な人物は、
前述の作品のように女子校内の華やかなグループに
属している人々ではなく、
地味だったり、存在感が薄かったり、醜かったり
といった日陰の存在が集まる「読書クラブ」の面々。
そのため、いろいろとひねくれている。
ユーモラスな作品なのだけど、
美醜が大きな影響力を占めている
学校内のヒエラルキーにおいて、
異端とされた少女たちの理論武装が
なんだかやるせない。

雑誌に掲載された話の中で、ここに収録されていないものが
あったはず。
いつか2冊目も出るのかしら。
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映画:『コクリコ坂から』

2011-09-01 17:41:10 | 映画の感想
映画:『コクリコ坂から』(宮崎吾朗監督)
★★★☆☆

映画館にて。
絵柄もそうなんだけど、日常生活や男の子の描き方が
いかにもジブリ。一貫しているなあ。
清く正しいヒロインに、王子様な男の子。
ヒロインのお姉さんぶりと、前半の淡い恋の描写には
胸キュンなんだけど、後半は、メロドラマの表層部分を
ダイジェストで見せられたという感じ。
オチは読めてるんだけど、読めていても
ドキドキさせられる話ってあるじゃない。
そのドキドキがまるでなかったのが残念。
悪くはないし、嫌いじゃないんだけど、
ジブリの恋愛ものを見たい!というシチュエーションになったら
「じゃあ、『耳をすませば』で」となりそうな位置づけ。

帰り、同じ映画館で映画を見ていたらしいオタク風な
大学生の女の子2人とエレベーターでいっしょになったんだけど、
彼女たちがメガネの秀才くんについて熱く語っていた。
名前が間違っていた。
「それは『風間』じゃなくて『水沼』ですよ」
と教えてあげたかった。
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