金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
★の数は「好み度」または「個人的なお役立ち度」です。
現在、記事の整理中。

120:稲葉美樹『飛鳥井雅経と藤原秀能』

2021-05-02 12:41:48 | 21 本の感想
★★★★☆

【Amazonの内容紹介】

優れた歌人を多く輩出した新古今集時代、
後鳥羽院に歌才を見出された、
蹴鞠の達人と北面の武士。

*************************************

なんとなく、定家は秀能の存在を
スルーしているんじゃないかと思っていたのだけど
(歌を評価していないというので)、
ちゃんと昇進のお祝いの歌を贈ったりしてるんだな。
秀能の私家集には定家との贈答歌が三首収録されているのに
定家の『拾遺愚草』にはひとつも収録されていない
(雅経との贈答歌は八首も入ってる)とか、
遅れて和歌所の寄人になった雅経と秀能が
いっしょに百首特訓してたりとか
知らないことがたくさんあっておもしろかった。

「繁栄していく我が子! 産んでくれた奥さんありがと!」
と歌に詠んじゃう雅経、よいパパじゃん。

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119:橋本義彦『源通親』

2021-05-02 12:32:42 | 21 本の感想
橋本義彦『源通親 (人物叢書)
★★★☆☆

【Amazonの内容紹介】

平安時代末期から鎌倉時代初期という
激動の時代に生きた公家政治家。
従来、良い評価は与えられてこなかったが、
本書は彼の生涯の足跡をたどり、
できるだけ正確な全体像を描く。
また改元定、院殿上定など儀式制度の内容にも触れ
当時の宮廷生活を垣間見させる。
 
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九条兼実を失脚させた人物として
最近になって存在を認識するようになった人物。
『玉葉』『愚管抄』ベースだとどうしても悪者になるんだけど、
これは九条家フィルターを取り払って彼をとらえようとした一冊。
逆に兼実の扱いが悪くておかしかった。
通親のトラブルや失脚を期待して、
その芽のようなものを日記に書きつける兼実の
性格の悪さよ……(それだけのことをされてるが)。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈3〉

2021-05-02 12:09:54 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

清盛との関係を修復しようと心を砕く
宗子ママを見ていると胸が痛い。
「そなたと家盛には、同じだけのことをしてきた」
という彼女に、清盛は反発せず、
「ありがとう存じます。母親のお優しいお心遣い、
私の分まで家盛に与えてやってくれればと」
と礼儀は尽くすものの、
もう決して打ち解けられないのだと感じさせる対応。
清盛嫌いの忠正おじさん、
「義姉上の立場でものを考えたことがおありか?」
と忠盛に詰め寄るんだけど、そう言いたくもなるよな~。
宗子ママは家盛にも
「嫡男は清盛。それを忘れないように」
と念押ししていて、すっごく理性的。
普段そういう人であるがゆえに、
思わず出てしまった我が子と清盛を区別する本心が
目だってしまったのだと思うと、やりきれない。

いくら反抗しても結局自分は平氏一門に守られていて、
自分ひとりで生きているつもりでも
一門の庇護なくしては生きてはいけない、と
思い知らされ、義朝の前で泣く清盛。
たいして親しくもないのに、
いきなり義朝に弱み見せてメソメソすんなや……と
初見のときは思ってたんだけど、
並び立つ武門(待遇に結構差はついてるが……)の
嫡男同士、互いにシンパシーはあったのかもな。

西行初登場。
人の心のわからない璋子のインパクトすごい。

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大河ドラマ「平清盛」再レビュー〈2〉

2021-05-01 00:30:29 | NHK大河「平清盛」レビュー
あらすじと初見のときの感想はこっち

反抗期まっさかり、
「誰彼構わず鬱屈ぶつけます!」
と言わんばかりのギザギザハート・清盛。
このあたり、初見のときは退屈に感じていた気がする。
顔も身なりもめっちゃ汚い清盛、
舞のときにはすごいきれいになっててお坊ちゃんらしかった。

家成・信西・義朝が初登場。
家成、このドラマでは「平家の味方のいい人」という
イメージだったんだけど、
清盛の加冠役として初登場したときには、
結構黒いところを見せていた。
そうだよね~。
いい人だったら院の寵臣にはなれないよね~。

璋子の密通を知って打ちのめされつつも、
璋子のところへ来てしまう鳥羽院。
男と女の業よ……!
鳥羽院の顔面の張り詰めっぷり、
見てるだけで不安になっちゃう。

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