この日は服部緑地でわくわく探検隊「花と草笛と野遊び」という子どものイベントやフリマをやっていたので、ついでに一度見てみたかった民家集落博物館へもやってきた。子供たちが遊具で遊んでいる間に一人で博物館内を散策。
ここは日本各地の代表的な民家を移築復元し、関連民具と合わせて展示された野外博物館。
11棟ある民家はどれも17世紀~19世紀の江戸時代に建築され昭和30年代まで人々が生活してきたもの。
まず最初に現れた飛騨白川の民家はとにかく大きくてすごい迫力の民家だった。
この飛騨白川の民家は3階建ての合掌造と呼ばれる。
屋根の高さは約12m、1階だけで約200㎡あり、釘を用いず木のツルで縛って組むだけの構造なのだそう。
すごい大きさの家!と思っていたら、この地方では一軒の家に30人から40人の家族が一緒に暮らしていたようだ。
なんと長男以外の子供達は結婚してもそれぞれ自分の生まれた家で親と一緒に暮ら
すので夫婦は別居、生まれた子どもは母親の家で育てられるそう。
そ、そんな制度があったなんて・・
1階は人の住むところで2階3階は養蚕の作業場だったという。
こちらは信濃秋山の民家で国指定重要文化財。
長野と新潟の県境にある秋山郷は豪雪地帯だったため雪国特有の形をしている。
雪の重みで家がつぶれないよう重さを分散させたL字型の中門造りというもの。
積雪から土壁を保護する茅壁が独特の外観。
この岩手県盛岡市の南部の曲家の特色は家族と同じ部屋の下に馬が住んでいて家族の一員同様に馬が大事にされていたのだそう。
母屋とうまやをつなげてL字型になっている。
この日は囲炉裏に火が入っていた。
ここの囲炉裏は靴のまま腰掛けて火に当たれるように、囲炉裏がずいぶん下の位置にある。
母屋と馬屋が繋がっているので囲炉裏に火を入れると馬屋まで暖かい空気が行き渡るようになっていた。
宮崎県の日向椎葉の民家、重要文化財は竿家造りと呼ばれる並列間取りの横一列に部屋が並んだ長い造り。
ちょうど屋根の葺き替えが終わったところで内部の公開はされてなかった。
葺き替え直後の茅葺屋根ってこんな色してるんだなあ。
これは大阪堂島の米蔵。元堂島川に沿って建てられていたもので、瓦葺、土蔵造りで、壁の厚みは約30cm、白漆喰で仕上げてある。
奄美大島の高倉はヒメツバキという堅い木で柱が造られていて、その堅さから鼠が爪をかけて登ることができない、と言われていた。
出入りは丸太に刻みを入れたはしごをかけて昇り降りする。
風通しがよく、高温多湿な気候に耐え、米や干物、大事な着物などを良い状態で保存することができたのだそう。
同じ民家でもそれぞれの地方の気候や風土に合わせていろいろと違いがあるのが面白い。
白川郷や岩手の遠野の曲家などは現地で見たことあるが、こうして同じ場所に11棟もあるとそれぞれの民家の違いが比較できて、なるほどなあ~と思ってしまった。
敷地内にはきれいなアジサイが花を咲かせていた。