子どもたちがまだ小さかった頃に読み聞かせた松谷みよこ&瀬川康男の「いないいないばあ」は定番だったが、同じ作家なのにまるで雰囲気が違う、後の方に描かれ出した装飾的な雰囲気の瀬川康男の絵本が好き。
この「ぼうし」という絵本の表紙はお気に入り。
縦長が特徴という朝鮮本に似せて作られたもの。
文字は特技の一つである篆刻で作ったかな文字の印が一つずつ押されているので手間はかかるが味わいある手作り感のある絵本。
「ふたり」は初めて自分で文章も手がけた作品。
動物の体に細密文様が入れられている。
絵は和紙にリトグラフ。
「かっぱかぞえうた」はやわらかな色彩のテンペラ絵の具で仕上げ。
「じゅうにしものがたり」もテンペラ画。
動物の体の中に描きこまれる細かい装飾が興味深い・・
「じゅうにしものがたり」で十二支の動物たちが最後に神様に会うシーン。
これまた興味深い装飾であふれている。
西洋の「ケルズの書」や「時祷書」などの彩飾写本の世界も味わっていたという瀬川康男だが、まさにそのような感じ。
装飾的なモローやクリムトの絵もなんとなく連想してしまう・・
ワタシも連想しまいたでつよ。
ただクリムトは東洋的ではあるけど
日本的ではあるません。
この作者は確かに日本的でつね。
COOLな絵本を紹介していただき
おおきに おおきに 大木金太郎
クリムト、やはり連想されましたか~
クリムトよりは直線的で繊細な模様に感じます。
この作家の他の絵本にはもっと日本的な絵のものもあります。
一つの描き方では飽きるのでいろいろな方法を試したそうですが、絵本によってガラリとイメージが変わるのが面白いです。