『ハートマークの逃がし屋!?』
この度の“美女”である、みゆきは獠たちとある種の同業者。
危険な物や人やアレコレを扱う「運び屋」のプロである。
職業人が国際問題に巻き込まれているのを護り救うという点は、『北原絵梨子編』とやや似ている構造と言える。
今エピソードについては、注目すべき点が多い。
★作中での金銭感覚の変化
最も大きな点だろう。
作品初期には「1億円を1週間で使い切る」など豪快な描写が見られたが、それは過去の話。
獠と香の経済は、とうとうカップ麺生活のレベルまで逼迫してしまっている。
CHの全盛期、バブル時代が終わりつつある事が述べられている。
★薬物依存者とその家族の問題
CHでは、エンジェルダストを皮切りに、薬物事件がしばしば扱われている。
今エピソードでは、それが更に、みゆきの“憑き物”として掘り下げられた。
単純な勧善懲悪では処理できない、考えさせられる問題に触れた作者に敬意を表したい。
なお、この辺りはアニメ版では全カットされてしまっているので、ご興味あれば是非ともこの漫画版を。
★香の活躍
(獠と香でなく)香単独で、これほど大活躍した事件は他にないのではなかろうか。
敵に侮られてる事まで初めから計算済みで動く彼女は、確かにもう一人の「シティーハンター」を名乗る資格がある。
★『RUNNING TO HORIZON』
みゆきが披露している暗号ソングは、アニメ版『CH3』オープニングを模した曲。
元の歌詞と比べてみるのもまた一興。
それでは。また次回。