バフスクの町。ここまで来たら、「黒い森」は目前だ。
「眠り蛇」を鎮めたら、すぐにマティウスの所を目指す。
というわけで、こうして普通の宿で過ごす夜も、一旦お別れだ。
「ところで、エリュテイアとセーブルって、けっこう仲いいですよね」
「そう見えます? わたくしにとっては、弟みたいなものですわ」
「へえ、流石エルフだな。んな大の男つかまえてガキ扱いかよ」
「あら、もしや気づいていませんのね。セーブル、貴方の年齢、教えてあげて」
「……言っても、仕方ないだろう」
何故か拒むセーブルが言った答えに、俺とアジュアは、
ぽかんと口を開けてしまった。
「ちょっと待て! 俺らより下って何だよ、そんなのあり得ねーって」
「セーブルは『機械の民』なんですの。エルフとも人間とも異なりますのよ」
「機械の民……。本では読んだ事ありましたけど……実在したんですね」
それから暫くは、機械の民についての授業となった。
ずっと西の国に住んでいる彼らは、特殊な方法(ややこしくて
俺には付いて行けなかった)で、はじめから大人の姿で生まれるのだという。
ただ、その際に使う道具の仕組みは、機械の民たち自身も分かっていない。
現在では失われた技術が含まれており、壊れたら直せないのだとか。
「……自分たちを創ってくれた方は、『科学者』と言ったそうだ。
この世の全部を手に入れようとするほど優秀だった。
だけど結局は、最後に作った機械、マキナもろとも滅びてしまった」
「え? 『眠り蛇』と同じ名前じゃないですか、それ?」
「……そうだ。自分たちの伝説でも、マキナは特別な存在なんだ。
マキナを大人しくさせるのは、自分たちの責務でも、あるんだよ」
「眠り蛇」を鎮めたら、すぐにマティウスの所を目指す。
というわけで、こうして普通の宿で過ごす夜も、一旦お別れだ。
「ところで、エリュテイアとセーブルって、けっこう仲いいですよね」
「そう見えます? わたくしにとっては、弟みたいなものですわ」
「へえ、流石エルフだな。んな大の男つかまえてガキ扱いかよ」
「あら、もしや気づいていませんのね。セーブル、貴方の年齢、教えてあげて」
「……言っても、仕方ないだろう」
何故か拒むセーブルが言った答えに、俺とアジュアは、
ぽかんと口を開けてしまった。
「ちょっと待て! 俺らより下って何だよ、そんなのあり得ねーって」
「セーブルは『機械の民』なんですの。エルフとも人間とも異なりますのよ」
「機械の民……。本では読んだ事ありましたけど……実在したんですね」
それから暫くは、機械の民についての授業となった。
ずっと西の国に住んでいる彼らは、特殊な方法(ややこしくて
俺には付いて行けなかった)で、はじめから大人の姿で生まれるのだという。
ただ、その際に使う道具の仕組みは、機械の民たち自身も分かっていない。
現在では失われた技術が含まれており、壊れたら直せないのだとか。
「……自分たちを創ってくれた方は、『科学者』と言ったそうだ。
この世の全部を手に入れようとするほど優秀だった。
だけど結局は、最後に作った機械、マキナもろとも滅びてしまった」
「え? 『眠り蛇』と同じ名前じゃないですか、それ?」
「……そうだ。自分たちの伝説でも、マキナは特別な存在なんだ。
マキナを大人しくさせるのは、自分たちの責務でも、あるんだよ」