そもそもの始まりは、俺が冒険者として半端者だった事だ。
理由なく暴走する魔力に振り回される挙げ句に、モンスター、
つまり「化物」と呼ばれる始末だった。
人生を変えたきっかけは、異国から渡ってきた「黒曜の剣」を得た事だった。
時に剣として、時に杖として使える特殊武器は、俺の立場を変えた。
俺の魔力は、強大な敵を撃ち倒す最大の強みになった。
呼び名のモンスターも、「強者」の意味合いで使われる事が増えた。
ただ、魔法使いとしても戦うようになった後は、無闇に声を
出さないように注意した。
寝起きで無意識に呪文を唱え、森を焼き尽くしそうになってからは特に。
それなりに名の知られるようになった頃、世界の偉い奴、
神だか上位者だかいう連中に、ザラダン・マーの討伐を依頼され、
空飛ぶ方舟ことガレーキープを託された。
集まってくれた仲間たちにも押され、俺は奴の拠点へ攻め込み、
奴を船内に拘束した。
誤算だったのは、奴が精神操作の術の使い手でもあった事。
俺たちは、ことごとく奴に屈服し、マランハによって、
知性ある者としての尊厳を奪われた。
俺自身も獣に変えられ、間抜けにも奴に“飼育”されたというわけだ。
ああ、つくづく傑作だ。
俺はよく周りから、「人を食った奴」と言われたもんだ。
まさか自分が、その言葉通りの存在になるとは思わなかった。
理由なく暴走する魔力に振り回される挙げ句に、モンスター、
つまり「化物」と呼ばれる始末だった。
人生を変えたきっかけは、異国から渡ってきた「黒曜の剣」を得た事だった。
時に剣として、時に杖として使える特殊武器は、俺の立場を変えた。
俺の魔力は、強大な敵を撃ち倒す最大の強みになった。
呼び名のモンスターも、「強者」の意味合いで使われる事が増えた。
ただ、魔法使いとしても戦うようになった後は、無闇に声を
出さないように注意した。
寝起きで無意識に呪文を唱え、森を焼き尽くしそうになってからは特に。
それなりに名の知られるようになった頃、世界の偉い奴、
神だか上位者だかいう連中に、ザラダン・マーの討伐を依頼され、
空飛ぶ方舟ことガレーキープを託された。
集まってくれた仲間たちにも押され、俺は奴の拠点へ攻め込み、
奴を船内に拘束した。
誤算だったのは、奴が精神操作の術の使い手でもあった事。
俺たちは、ことごとく奴に屈服し、マランハによって、
知性ある者としての尊厳を奪われた。
俺自身も獣に変えられ、間抜けにも奴に“飼育”されたというわけだ。
ああ、つくづく傑作だ。
俺はよく周りから、「人を食った奴」と言われたもんだ。
まさか自分が、その言葉通りの存在になるとは思わなかった。