吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

前立腺癌検診雑感 その5

2011年06月09日 07時47分11秒 | インポート

 そもそも「行政でおこなう健診」の意義は、医療費抑制も目的の一つである。かなり進行して重症化して見つかった疾患はそれなりに治療費がかかる。ところが早期に見つかったものは治癒も早いしcontrolも難しくはない。そしてあまり治療費もかからず国民の総医療費の抑制にもつながるため国では健診事業を推進するのであろう。ところが前立腺癌はどうも癌腫に特異的な傾向があるようである。うちに通院している前立腺がん治療中の患者さんでは手術治療のみの方もいれば、手術後ホルモン剤を今後もずっと投与する予定の患者さんもいる。また別の患者さんでは放射線治療も継続して行われているようである。また骨に転移されている方もいるがホルモン剤の治療で数年以上ずっとお元気であるし、また高齢の方では特に「何もしていない」患者さんもいらっしゃる。年齢や癌腫の種類、進行度で千差万別の治療法があるようであり、それが一生涯続くようなので確かに今後、泌尿器科医はますます多忙になるだろう。病診連携ができるなら、その一端をクリニックでフォローしてもよいのだが・・・。