確かに今後の主流は被覆材による閉鎖療法であろう。しかしこの市販の被覆材の取扱説明書を読んだが、来られたほとんどの患者さんが誤用しているようである。というよりもかなり適応が限られているのでほとんどこの被覆材を一般の方が使用される場面は少ないようにおもえるのだ。例えば使用してはいけない場合として「深い創の場合」「動物や人にかまれた場合」「受傷後時間の経過した創」「ガラス、木片、砂、ほこり、衣服の繊維など異物が混入した創」「傷口のまわりが赤くなったりズキズキしたり膿を持っていたり熱や腫れがある場合」「すでにかさぶたがある創」「原因不明の創」「すでに家庭で他の手当てをした創」「にきび、湿疹、皮膚炎など」が書いてある。しかも使用前には十分、水道水などで創を洗浄するようにとある。我々医療従事者にとってみれば感染防止のためにはごく当たり前の知識ばかりであるが、一般の方がこれをすべてクリアするには判断が難しいと思うのだが・・・。