吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

佐世保同級生殺人事件 その5

2014年09月06日 05時46分55秒 | インポート

   今回、医師が個人情報を児童相談所に告げなかった報道を聞いて、個人情報保護法が作られたばかりの混乱期を思い出した。なんでもかんでも個人情報を保護すればいいという考えのまま現在まできているのはいささか哀しい思いである。結果的に個人の生命が守れなかったのは、もしかしたらこの医師が児童相談所に個人情報を告げなかったことも大きな要因であろうと思われる。公序良俗に反すること、反社会的行為に至るであろうことを抑止するためには、医師であれば個人情報保護にとらわれることなく自信をもって児童相談所に告知すべきであったと考えるのであるが・・・。まあでもこの医師がどのような状況で個人情報を告げなかったかの経緯が全く報道されていないので真相は闇の中なのである。もしその医師が自分であったらどう動くか? 自分ならもし児童相談所にまで話を持っていったのであれば、そこまで来て名前を言わないことはない。児童相談所の存在意義も傍観することが目的ではないはずである。DVやネグレクトなどの反社会的行為に至らないようにすることが務めなのであるから、ここで事例のみの報告だけを受けていて「ああそうですか、でもしょうがありませんね」というのも少々さびしい気がする。個人情報保護法の解釈の違いにおいて起こった哀しい出来事である。残念だ。