吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

CPAと死亡確認 その3

2014年09月19日 06時36分22秒 | インポート

 災害現場の救助映像をTVニュースでよくみる。救助に当たっている人たちの現場でのご苦労は痛いほどわかるし、ありがたいことである。被災者に心肺蘇生をおこなわず、ブルーシートで覆って収容、搬送している映像をみると「ああ、ダメだったんだな」と残念に思うが、それはそれでやむをえないことである。しかしその状況の解説に「心肺停止の状態で発見され・・・」などとマスメディアの注釈が付けられると極めて違和感を覚えるのである。心肺蘇生講習で今まで「心肺停止の場合はすぐに心肺蘇生を開始しないと助かりません」と市民への救命意識の向上に努めてきたにもかかわらず、あの心肺停止なのに心肺蘇生をしないで搬送している映像が流されると、「え? 心肺停止で何もしなくても助かるの?」と誤解される可能性がある。災害現場の救助スタッフの努力及び市民に心肺蘇生を普及させている人たちの努力を無にするようなマスメディアの表現は改めるべきと思うのである。マスメディアにおける「心肺停止」という言葉の使用法は誤っている。今後なお一層検討する余地がある。<o:p></o:p>