最近の花粉症ではよく抗アレルギー薬が処方される。これら薬ですら「車の運転禁止」または「車の運転注意」のしばりがある。運転制限のない薬はアレグラとクラリチンだけである。運転制限のある薬を処方する時は必ず「運転しないで下さい」と注意をする。それでも運転が必要なときは「自己責任で」と付け加える。しかし世の中甘くない。これで対人交通事故が起こった場合、運転制限のある薬を処方した医師も責任は追及されるのである。「自己責任で」などと話したことなどは訴訟の現場ではなんら免罪にならないのである。むしろ「自己責任なら運転してもよい」と運転を許可したととられかねない。サービスのつもりが仇になりかねないのである。さて今回は睡眠導入剤よりもはるかに強力な抗精神薬服用中(運転時は内服中止したというが)の事故である。弁解の余地はない。しかも死亡される前に彼は何回も交通事故を起こしているのだ。これが原疾患によるものか、あるいは薬の作用によるものなのかはわからないが、どこかで安全弁が働かなかったのがおかしい。