吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

二代目の辛さ?

2015年10月24日 06時34分35秒 | 日記
 時々、父の時代の患者さんが来院される。父と自分が比較されるのはしょうがない。特にしばらく来られなかった患者さんはその診療の違いに驚かれるかもしれない。
「なんだぁ~お父さんの時はもっと注射一杯うってくれたよぉ~」 
腰痛の患者さんには、概ね鎮痛剤とシップの投薬にしているが、適応をみながら腰に注射もする。しかしまあ保険の範囲であれば神経ブロック注射でもトリガーポイント注射であっても、通常は1回につき1本である。患者さんに「もっと打ってくれ」「父は何本も打った」といわれるとついつい自分はなんだか「サービスが悪い」と思われているようでバツが悪い。
父の診療していた時と時代が違うのである・・・などという言葉は、目の前で痛がっている患者さんには何の関係もないのである。ただ単に「自分の注射の本数は少ない」という事実だけがあるのである。
「・・・じゃあ、痛み止めの座薬も追加して出しますので、これ効きますよ」 
昔からの患者さんは、風邪でもなんでも「注射が好き」な人はまだまだ多いのである。「風邪に効く注射」なんてあるわけない。でも注射が一番と刷り込まれていれば座薬なんて出しても納得いただけない。
 よくある話であるが老舗の天麩羅屋の二代目が、口さがない常連客に「先代の味に追いつくにはまだまだだな」と言われるようである。追加注射をしない自分もきっと注射大好き患者さんから同じように思われているのであろう。
 あぁ2代目はつらいが、でもまあやりがいの一つでもある。