吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

標語 その5

2015年12月22日 05時40分53秒 | 日記
 大分時間もたって辺りが暗くなりかけた頃である。担任が戻ってきた。
「なんでさっさとこないのよ? で、掃除が遅れた理由は何?」と先ほどよりは優しい口調ではあるが詰問のようにきいてきた。
何か言えばまた顔面平手打ちが来るんじゃないかと恐ろしくて喋れなかった。しかし「理由を言わないと帰さない」というので意を決して言ったのである。
おそるおそる「あのぉ~、先生が掃除当番の女子に仕事を言いつけたので・・それで・・」と言ったところ、その言葉をほとんど聞いていない担任は遮るように、
「あ~そうなの、じゃあなんでその理由を今の今まで言わなかったの?」と逆にお説教を始めたのである。
本来であれば「彼女たちは掃除当番だったのね、気が付かずに用事をいいつけてしまったわ」と言うのかとおもったが、一切そのことにはふれず、ただ自分たちが理由を言うのが遅いということでまた担任は怒りだしたのである。たぶん理由の内容はどうでもいいのである。普段の生活も、ぐーたらで、この可愛げがなく態度の悪い男子を最初から懲らしめるつもりでいたのである。
 帰宅の道すがらこの理不尽な扱いに哀しくなった。でも後年、社会人になって気が付いたのであるが、世の中に出てみると、これよりもひどい理不尽を受けることがいくらでもあった。社会に出てから受けた理不尽のほうがはるかに強烈だった。小学校当時に少し免疫が付いたと思えばこんなこともまあそれほど悪くはないだろうと今は思っている。