吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

愚痴

2017年04月22日 05時47分40秒 | 日記
 開業して10年になります。この医療不況の時代になんとかここまでやってこられました。
 父の診療所を継いだときにすべてのシステムを交換して紙カルテから電子カルテを導入しました。もちろん数百万かかりました。
 で、それから10年。ま、細かいところでいろいろ電子カルテには不満、不都合もありますがこのままで行こうと思っていた矢先の話。
 電子カルテの会社が10年以降は「サポートしません」と言ってきたのである。すでにOSはウインドウズXPがサポートされていないことで電子カルテの業務自体もサポートしませんと言っているのである。
 つまり今後は不都合が起こったり、うまく作動しなければ自分で何とかやりなさいということになる。何だか冷たく突き放された感じである。
 でもこんな複雑な電子カルテシステムなど自分で管理できるわけない。結局は向こうの提案する新バージョンに替えるしか手はないのである。
 驚いたのはバージョンアップのつもりでいたらそうではない。システムすべての交換になり、したがって交換費用は初期導入費用と変わりがないのである。

 医療費は削減されて苦しい経済状態の中であっても、医療を取り巻く周辺業界は、容赦ない価格で購入させる状況を作っているようである。辛い・・・。
 電子カルテ導入してもその費用を保険点数で算定できるわけではない。紙カルテの方がまったくコストはかからない。
 でももともと国が医療の電子化を推し進めているのだからなんとか保険点数で電子カルテの加算を大幅に面倒見てくれないかと思う今日この頃である。
 現状を言ってしまえば、「どんどん電子化にしなさいねー、しないと今後紙カルテだと点数請求ができなくなりますよ(収入が入らなくなる)。でも電子カルテにしてもそれにかかる費用は自分たちで全部払ってねー」ということである。

 江戸時代の話を思い出した。幕府の直轄地においておこなわれる治水工事を大名に申し付け、それにかかる費用は幕府からではなく申し付けられた藩がすべてをもつというシステムに似ている。これで請け負わされた藩の経済状況は悪くなり幕府に反逆する蓄えを減らせるという魂胆。