原告側は「ハイムリックを行わなかったので救命できなかった」と主張しているが、ハイムリックと背部叩打の有意差はなく、ここのデータを知らずに裁判の論点にした弁護士は極めて不勉強といえる。
AHAでは背部叩打ではなくハイムリックを推奨しているものの、それはエビデンスに基づくものではない。とりあえずAHAという団体がハイムリック法を第一選択にしているというだけである。
きちんとしたエビデンスで判断しないと判決があらぬ方向に流れてしまう。一度そのような判例がでると将来その判例が未来永劫引用されるのでゾッとするのである。
幸いにもこの判決は原告側の訴えが棄却されたが原告側は控訴するという。高裁になると一転逆転有罪となる可能性もでてくる。そうなると「気道閉塞ではハイムリックを行なっていないと今後は裁判になったら負けますよ」ということになる。
どの異物除去法が優れているというデータがないにもかかわらず、医学ではなく司法の立場で「ハイムリックが優れている」というお墨付きを与えてしまうことに一抹の矛盾感と無力感を覚えてしまうのである。
裁判するのもよいが、原告弁護士はその論点や根拠をきちんと明確に勉強しないと今後の世の中を混乱させてしまうことに気付くべきである。裁判は科学(サイエンス)でないのは分かっている。でも「勝ったほうが正義」というものでもないとも思うのだが。
AHAでは背部叩打ではなくハイムリックを推奨しているものの、それはエビデンスに基づくものではない。とりあえずAHAという団体がハイムリック法を第一選択にしているというだけである。
きちんとしたエビデンスで判断しないと判決があらぬ方向に流れてしまう。一度そのような判例がでると将来その判例が未来永劫引用されるのでゾッとするのである。
幸いにもこの判決は原告側の訴えが棄却されたが原告側は控訴するという。高裁になると一転逆転有罪となる可能性もでてくる。そうなると「気道閉塞ではハイムリックを行なっていないと今後は裁判になったら負けますよ」ということになる。
どの異物除去法が優れているというデータがないにもかかわらず、医学ではなく司法の立場で「ハイムリックが優れている」というお墨付きを与えてしまうことに一抹の矛盾感と無力感を覚えてしまうのである。
裁判するのもよいが、原告弁護士はその論点や根拠をきちんと明確に勉強しないと今後の世の中を混乱させてしまうことに気付くべきである。裁判は科学(サイエンス)でないのは分かっている。でも「勝ったほうが正義」というものでもないとも思うのだが。