吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

だから何?

2017年11月20日 06時09分31秒 | 日記
 日馬富士の暴行事件であるが、貴ノ岩の警察に出し診断書と協会に出した診断書が異なっているって世の中で話題になっているらしい。
 でもこんなこと不思議でも何でもない。診察した時期や施行した検査も異なれば違った診断が出ることも不思議ではない。頭部のX線だけとCTスキャン検査でも診断精度は異なる(当たり前である)。また診察時期が異なれば症状や病勢はかわってくる。

 診断書の内容はあくまで診察したその時点での(ピンポイントの)診断結果でしかない。またその後の経過や新たなる診断について保障するものでもない。
 そのために「~の疑い」という確定診断ではない病名をつけているのである。

 うちのような小さなクリニックにはCTはないから頭部X線だけしか施行できない。にもかかわらず「その場」で「確実な」診断を要求されたらたまったものじゃない。
 マスメディアは、どんな医療機関を受診しても、その場で正確無比な診断ができなくてはいけないとでも思っているのだろうか? 甚だ迷惑である。