吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

抗菌薬不適切使用 その2

2017年12月08日 06時16分12秒 | 日記
 あるいは医師の中には「風邪に抗菌薬が効かないのは知っているが、細菌による混合感染や二次感染の予防に投与する」という人もいるようである。しかし抗菌薬に2次感染の予防効果はないとのことである。つまり風邪に抗菌薬投与は百害あって一利なしという現状である。

 自分は風邪で抗菌薬を投与することはない。開業してからそのスタンスは(なるべく)守っている。しかし困ったことには患者さんの方から「抗菌薬出してくれ。そしていざという時のためにも余分に出してくれ」と指定して要望されることが時々ある。そのようなときは、十分にその有害性も含めて説明するのであるが、それでも納得した顔はされない。
 「自分の身体では風邪に抗菌薬が効く。今日はそれをもらいにきた。吉田のへんてこな説明はいらない」と思っているのかもしれない。
 「あーあー、それでもいいですから、抗菌薬出してください」と粘られる場合は根負けして出してしまう(弱い自分)。患者さんのこの抗菌薬信奉のマインドコントロールは解きがたい。
 これで自分は処方してしまうからイタチごっこなんだよなあ~。