吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

TV討論会で その2

2021年05月17日 06時23分12秒 | 日記
 討論の内容は、「ワクチン接種の遅れは、接種するワクチンの打ち手の医療従事者が足りないから」とまず打ち手不足ありきのような議論になった。実際、接種現場で何が滞っている原因なのかをよく見れば実際は「打ち手不足」ではない。実際打つのは1秒もかからない。
 実は複雑多岐にわたる面倒な事務手続きがネックなのである。予約を6人単位でスケジュール管理し、それら6人が6時間以内に接種会場に集合できるよう調整、ワクチンの注文と届いたなら5日以内に使用するようワクチン管理、ワクチンの国への登録、そして接種時は本人のワクチンクーポンを読み込んで国へ登録、そして本人確認し、問診、接種、接種後観察、そしてその後は被接種者が高齢者とか持病持ち者だとかで全部区分けしてそれぞれの人数を区に登録、そして被接種者の居住地によって請求書の作成様式を変えて申請作業。その途中ではドタキャンもでるのでそこに待機者リストから当日すぐに打つことのできる人へ連絡、それと並行して2回目接種スケジュールの算段・・・。個人クリニックでの個別接種ではこの作業を医師を含めて1~2人で行うのである。とても通常診療と平行して行うのは負担が大きい。
 打つのは1秒あれば済む。実際の打ち手である医師や看護師を増やしても効果はない。実は接種自体の手間ではなくロジの問題である。