いやはや参った。もうすでにインフルエンザは消滅して、すっかり花粉症のシーズンになったと思っていた。昨日、平熱だが身体の倦怠感が強いという患者さんがこられました。何らほとんど所見はないので、風邪薬の処方でお帰りいただいた。しかし今朝になって38.5℃の熱発で「ン?」と思いつつ迅速検査をしたら、B型インフルエンザが陽性でした。検査前は自分の頭には「まさかないよねぇ~」という想いがありましたが、検査の結果みてびっくり。検査はしてみるものですね。
夕方、電話があった。「痛くてどうしようもない」と。すぐに来院させて腹部所見をみると、完全に腹膜炎の所見である。抗生物質の点滴をしたにもかかわらず、わずか数時間で「あっ」というまに進行してしまった。大学へ救急車で連れて行きすぐ手術の手配をお願いした。無床クリニックでは入院設備がないので、このような場合は「遅れがち」になりやすいが、最大限早い対応だったと胸をなでおろしている。
先日、腹膜炎の患者さんを大学の救命センターに転送した。その患者さんは前日、胃の具合がおかしいといって来院した。特に発熱はなく腹部所見も軽微であった。とりあえず胃の薬を出したが、翌日午前中、下腹部痛で再度来院された。熱は微熱程度だが腹部所見では憩室炎か虫垂炎らしい。しかしほとんど腹膜炎の所見はないので、抗生物質の点滴と内服処方で「また痛むようならすぐ連絡してください」と帰宅させた。しかし数時間後・・・。
先代の父の時代では、医院の外には板木でフタされた大きな木製のゴミ箱があった。昔は多くの家の外にはこのようなゴミ箱があった。感染性医療廃棄物の概念がない時代では一般家庭ゴミと一緒に血や膿のついたガーゼなどもここに捨てられていた。おおらかであったというか、今からみると隔世の感がある。しかも当時は「かくれんぼ」をしたときに、その医療用の汚物の入ったゴミ箱の中に隠れたおぼえがある。よく感染しなかったなぁ~と今では冷汗モノである。自分はゴミ箱の中で免疫がついたのであろうか?(笑)
前回、標準的感染予防策という話をした。つまり目の前のものが、本当に人に病原菌(ウィルス)を感染させるかどうかは、ひとつひとつ調べてみないと分からない。これは手間も暇もコストもかかるので現実的ではない。だから人に感染を及ぼす可能性のあるもの(例えば人の血液などの体液)はすべからく感染すると考えて別に分けて扱うことである。感染症のない血液もあれば感染症のある血液もあるが、すべて「血液」というものが付着した器材は滅菌するか、感染性医療廃棄物として廃棄を委託しなければならない。
どうも幼いうちに、いろいろな感染症に罹患させたり、抗原(アレルゲン)に曝露させたりして免疫をつけさせることが目的のようである。しかしあえて適度に不衛生な環境・・・というのもその程度や線引きが微妙であろう。行き過ぎれば、不衛生すぎて重大な感染症をおこしそうだし、中途半端な衛生管理だと、目的とする免疫がつかないだろうし・・・。医療の世界では現在、怪しいと疑われるものはすべて感染しているとみなす標準的感染予防策(つまり疑わしきは罰する)という方策がとられている。はたして「不衛生な環境に敢えて置く」というのが受けいれられるかどうか・・・?
将来、子どもが花粉症で苦しまないようにするためにはどうすればよいか―。理化学研究所が「花粉症にならないための9か条」を紹介した。1.生後早期にBCGを接種させる 2.幼児期からヨーグルトなど乳酸菌飲食物を摂取させる 3.小児期にはなるべく抗生物質を使わない 4.猫、犬を家の中で飼育する 5.早期に託児所などに預け、細菌感染の機会を増やす 6.適度に不衛生な環境を維持する 7.狭い家で、子だくさんの状態で育てる 8.農家で育てる 9.手や顔を洗う回数を少なくする・・・だそうである。
患者さんのKさんはこれで通院している。高齢のご婦人であるがとても元気である。お歳を聴くまでとてもその年齢とは思えないくらい若く見える。それはいいのだが、このまえ出会いがしらの自転車事故をおこし、頭と膝を打って来院した。幸い骨折などなかったが、今でも打撲の「青なじみ」は残っている。まあ、事故は起こしても起こされても、とにかく骨折されたら困る。骨粗しょう症で通院されているくらいだから骨折しやすいし、また治りにくい。
最近、このタイプの自転車をよくみかける。患者さんの中にもこれに乗って来院される方も多い。うちにはこの自転車はないが、最初にこれに乗ったのは近所のO内科・皮膚科のC先生にお借りした時だった。何かの宴会の時に緊急の往診がかかり、そこから直接、患宅に赴こうとした時だった。宴会に同席していたC先生が「私の自転車お使いください」というのでお借りしたのだが、これがまたとても楽であった。確かにあれに一度乗ると病みつきになりそうだ。いやっ、でも筋肉に楽をさせたらこのまま、際限なく楽な方向に流れそうになるので、まだやめておこう・・・。
実はクリニックを開業して1年以上になるのだが、その間、電気代を払っていなかった(請求されていなかった)ことに気がついた。これは配線工事の時のミスで配線確認作業がなされておらず、そのため請求業務ができなかったらしい。こちらも支払っていないことに気がつかなかったが、メーターの検針だけはきちんとされており、この1年以上の電気代が、どっと請求されてきて、その支払いに困惑している。メーターの検針さえされていなければ、証拠がないので知らん振りもできたのだが・・・。それにしても腹立たしい・・。