吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

究極の選択 その2

2010年04月30日 06時53分29秒 | インポート

 高齢の男性患者さんの奥様が来院された。「月末にどうしても主人が里帰りして墓参りしたいといっています。しかし長旅では腰痛がひどくなり向こうで絶対動けなくなりますので、先生から『行くな』と言ってやってください。向こうで動けなくなったら周りの私たちが大変ですから・・・」と強く頼み込まれた。 後日、ご主人が来院された。ご主人は「自分は高齢なのでいつ最後の墓参りになるかもしれない。とにかく這ってでも行く」と言っている。確かに腰痛はあるが行けないことはない。ましてや本人の意志も固い。さて・・どうしたもんか・・・。


究極の選択 その1

2010年04月28日 06時42分28秒 | インポート

 随分昔になるが「究極の選択」という言葉遊びがあった。例えば汚い話で恐縮であるが「ウ〇〇味のカレーとカレー味の〇〇コ」・・さてどちらか食べなければならない時はどちらを選ぶか? といったものである。まさにどちらも選びたくないのである。 大昔、似たようなことがあった。肝機能の悪い大酒のみの患者さんが奥さんとともに外来に来た。奥さんに「先生! うちの人にもう二度と酒をやめるように強く言ってやってください!!」とねじこまれた。 とりあえず節酒しているらしく肝機能はすでに正常化している状態である。 一方、ご主人からは「あんだおめぇ、肝臓なおってんが、あんで酒がおいねぇんだおー」とすごまれた。「やめるように」と言えばご主人が怒り出す。「節度をもった飲酒なら可」というと奥さんが怒り出す。「究極の選択」である。 ところで実は最近も似たようなことがあった・・・。


貧血 その2

2010年04月27日 06時30分24秒 | インポート

 自分には特に嫌いな食べ物はない。逆に好きな食べ物はたくさんある。たとえば今の話に出たレバーなどは好物である。特にレバニラ炒めとビールの組み合わせは「うまいっ!」の一言である(これに餃子や牛胃の煮物でも加えれば最強である)。もちろん鴨肉の燻製とワインも好物であり、これも「おいしい」と思うが、けして「うまいっ!」と感ずることはない。大げさではないが生きていることの喜びを感じるのは前者なのである。プファ~ァアア・・・。わかる人にはわかるだろうけど。


貧血 その1

2010年04月26日 06時31分16秒 | インポート

 最近、鉄欠乏性貧血の患者さんがこられた。レバーを食べるようすすめたが、レバーは嫌いであるとのこと。鉄剤の内服は胃腸障害があるのでなかなか投与しづらい。食物で摂取することが望ましいがなかなか好みがあるのでこれも難しい。そこで鉄剤の注射で通院することを勧めてみた。しかしながら人の食べ物の好みとは千差万別である。人が好きというものを自分が嫌いであったり、あるいは自分が好きなものは他人が食べられなかったりで様々である。自分には嫌いな食べ物はない。他の人では「これはどうしても食べられない」というものがあるようだが、自分にしてみればそれは不思議なことである。


効能の噂 その5

2010年04月24日 06時34分32秒 | インポート

 実のところ、効能の検証をするとしたら、まず飲用して経時的に関節液を採取してその中のヒアルロン酸の濃度上昇を確認することであろう。これでヒアルロン酸が上昇してくれば「ヒアルロン酸エキス飲用による関節内ヒアルロン酸濃度上昇」が確認されたことになる。ところが・・・である。濃度が上昇するのと膝痛の軽減が関連しているかの検証も行わなければならないので厄介である。濃度が上がらなくても症状が軽減することもあれば、濃度が上がっても痛みがとれないこともある。だから薬の効能というのは難しいし人間の身体というのは神秘なのである。


効能の噂 その4

2010年04月23日 07時05分49秒 | インポート

 では飲むヒアルロン酸の効能はどうであろうか? はたして飲んでからこのヒアルロン酸が膝の関節内まで到達してくれるのだろうか? 服用すると高分子化合物なら腸で吸収されないまま便から出てしまうか、あるいは吸収されたとしても肝臓で代謝されるか、腎臓から排泄されてしまうかのいずれかであろう。もし吸収されたとしても目標である患部に特異的に集まるという保証はない。まさに皮膚の塗り薬は飲んでも効かないということと同じだと思う。しかしながら実際の効能は患者さんが「効いた」といえば効いたのであるから、どうも私には何ともわからんというところかも・・・。


効能の噂 その3

2010年04月22日 06時59分49秒 | インポート

 ヒアルロン酸の効能は関節内に注入することによって関節の潤滑性を高め関節運動を滑らかにするわけである。まさに単純明快である。ところがこれはあくまでも外からの注入物であるので、次第に関節内から体内に吸収されて分解されてしまう。したがって関節の中にずっととどまってはくれないのである。だから関節注射は週に1回注射し大体5回が上限と保険診療では定められているのである。よって関節内注入の効果は一時的ということになる。ところが人間の身体とは不思議なもので1回で「あぁよく効いた。治った!」という人もいれば、「こんなもの、何回やってもまったく効果はない。痛いだけ損した」という人もいる。だから「効能に関する世間での噂」とは厄介で怖いのである。


効能の噂 その2

2010年04月21日 06時25分57秒 | インポート

 しかしながら、外来に来た患者さんに「先生、ほらあのTVでやっている飲むヒアルロン酸は効くのですか?」と聞かれると困るのである。効くと思って飲んでいる人に「あんなもの効かない」というのは野暮だし、「ええ、あれはとてもよく効くんですよ~」というのも、会社からビタ一文ももらっていないので宣伝するのはいやである。では実のところどうなのか?といわれると、自分は効能はないと思う。ヒアルロン酸というのは高分子化合物の潤滑剤みたいなものであるから、肩や膝の関節内に注射する。これはジョイントに直接、油をさすようなものだから効能は理解できる。しかし・・。


効能の噂 その1

2010年04月20日 06時44分22秒 | インポート

 「効能に関する世間での噂」というのは厄介である。いやはや、最近TVを見ていると内服薬に似たカプセルなどの健康食品が随分と宣伝されているようだ。特に膝痛に効能をうたっているヒアルロン酸の内服はよくTVで放映されている。しかも売り上げはかなりいいようだ。本当に売り上げがいいかどうかの真偽は定かではない。しかしあれだけTVで宣伝できるだけの経済力があるということは、それなりに売れているのだろう。しかしこれらは医薬品ではなく食品扱いになる。効くか効かないかは服用した本人が「効いた!」といえば効いたのであろう。まあ鰯の頭も信心からというのでとやかく言うつもりはない。でも・・・。


クラッシュ?

2010年04月19日 06時46分27秒 | インポート

 昨日の朝、いつも使用するパソコンの画面が開かなくなった。自分はPCクラッシュの経験はなく、大学時代はマックユーザーだったので、今使用中のWinはまったくの素人であり途方にくれた。とにかく取り説を引っ張り出しあれやこれやいじったが、本来の画面ではなくまったくのデフォルト画面しか出てこない。しかしようやくわかったのは、どうやらマックと違い、ローカルディスクというのがいくつかあって、その主たるほうが一杯のようである。これをDのディスクに移したら少しは動くようになった。しかしデフォルトの画面は出てこないし、ネット使用時のIEのお気に入りもすべて飛んでしまった。そんなこんなで1日がつぶれたが、まあなんとか毎日つけているブログは更新できそうである。


金髪 その2

2010年04月17日 06時34分09秒 | インポート

 その金髪に染めた高校生の採血結果やX線写真をみても特段の異常はない。またお酒も十分に醒めているので、まあ退院するように告げた。この金髪高校生君も、こんなところに幽閉?されるのはかなわないとばかりに退院の身支度をはじめた。ところが・・母親にすごい形相でくってかかられた。「えっ 退院?! 先生! 異常がないったって髪の毛を急に染めるなんて、どう考えてもおかしいじゃないですか? それを退院させるだなんて・・。先生のほうから髪の毛の色を元にもどすよう言ってやってくださいよ!」 ・・・・・う~ん、困った。ここはフツ~の医療機関であって教育機関ではないのですが・・。しかも飲酒が原因で入院となったことはどうなっちゃったんでしょうか?(けだし不可解??)


金髪 その1

2010年04月16日 07時32分00秒 | インポート

 前回「無理に病院に連れてこられた」という患者さんということで思い出した。自分は大学病院勤務時代に週1回、都内の某病院で診療していた。その時の話である。 深夜、そこの病院に、飲酒・酩酊ということで高校生が救急入院していた。自分が朝、回診すると、その高校生は、お母さんにつれてこられたのだが、意識は戻り、まったくの素面である。ところが髪の毛は金髪だった。お母さん曰く「この子は昨日までは普通の髪だったんですけど、急にこんなに髪を染めてしまって・・・。本当はとてもいい子なんです。きっとなにかの病気になってしまったんです。さあ調べてください」とわが子の飲酒を棚に上げ、興奮してまくし立ててきた。まあ、しょうがない、とりあえず採血、レントゲンなどの結果を診た。


ちょっと落ち込む? その2

2010年04月15日 06時56分58秒 | インポート

 それで翌日から創のチェックと消毒処置などで通院してもらった。しかしながら「近所の人に連れてこられたのであって、本当はこんなところに自分は来たくなかったんだけどね・・・」とか「え~抜糸に1週間以上もかかるの?」 とか、あるいは昨日も聞いたのにまた「治るまでどのくらいかかるの? え~そんなにかかるの?」などと、ほぼ毎日悲嘆の声をあげられるのである。高齢なのでたぶん短期記憶障害(物忘れ)もあるのかもしれないのだが、毎日残念そうな落胆の声をきくと、こちらも良いことをしなかったんじゃないかなぁ~と落ち込んでしまうのである・・・。


ちょっと落ち込む? その1

2010年04月14日 06時37分05秒 | インポート

 先日まで、指を包丁で切った高齢の方が通院されていた。来院した時は近所の方に連れてこられて「私はこれしきの傷で別に来たくなかったんだが、周りの人に連れてこられたんだ」と何回もおっしゃいました。キズをみると、ありゃりゃ・・、結構深くて縫合が必要でした。「これは縫わないとだめですねー、縫合しましょう」といったところ、「え~そんな重症かい? このままじゃだめなの?」と少しおかんむりのご様子。でもなんとか説得して縫合しました。「で、2-3日で治るのね?」と終了後に聞かれましたが、いやいやとりあえず毎日、創部は消毒確認させてくださいと申したところ「え~明日には治んないの?」とまたおかんむりのご様子。いやはやこれには困った・・・。


電動カートその2

2010年04月13日 06時26分59秒 | インポート

 しかし、現在は道交法で自動車の運転では、「認知症のある方は運転免許が交付されない」という一文があるくらいである。自動車がダメなので、もちろん原動機付き自転車(バイク)すらもだめである。ところが電動カートならばOKのようである。瞬時の判断ができなかったり記憶障害があれば運転は難しい。でも実際は電動カートの運転には認知症でも制限が加えられていないのである。もちろん制限がないほうが自分の足代わりに外出できるのでいいのだが、たぶん大きな事故が起こってからきっと何らかの制限が加えられるのかもしれないと思うと心配になる。結構あのカートは狭い歩道を徐行しないで走っているようですけど・・・。