吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

検証2

2010年07月13日 07時14分44秒 | インポート

 事例1: 特別養護老人ホームに入所中で、認知症がありほぼ寝たきりの状態の方である。ご家族はこのホームでの安らかな最後を期待しており、万が一の時の延命処置は希望していない。そんな高齢の方であるが、ある日の夜中、しだいに状態が悪くなりいよいよその時がきたのである。ところがこのホームの嘱託医が都内遠方に住んでいるためか、ホーム職員は嘱託医に連絡せず、救急車を呼んでしまったのである。当然、救急隊は「全身状態が悪い」のであるから救命センターに搬送した。救命センターでは、最初から「看取り医療」はしないし、既往歴も事情も分からない患者さんなので蘇生処置を始めた。するとほどなくしてとりあえず心臓だけは動き出したので集中治療室で家族に面会させたのである。生命維持装置を沢山付けた患者さんの姿をみて家族は「唖然」としたようである。さてここまでの登場人物で誰が悪いのか? 


検証1

2010年07月12日 07時01分01秒 | インポート

 自分は大学の救命センター勤務医時代に第5方面(豊島区、北区、文京区)における東京消防庁の救急車による搬送事例の事後検証をしていた。事例を検証して救急医療体制の不具合を指摘し、それが東京都メディカルコントロール協議会に上申され体制の改善が行われることになる。公平に事例検証を行うためには、自分の主観にたよらず一定のルールを踏まえて検証を行うことが重要である。このルールというのを覚えるのが大変で「救急搬送基準」というものを熟読してその基準どおりに目を通すわけである。この仕事をしていると「どこか変だよ、東京の救急事情」が見えてくるのである。


かかりつけ その3

2010年07月09日 06時52分31秒 | インポート

 ある地方の病院に出張中のはなし。その病院では昔から、電話で「おたくのかかりつけだが・・・」とか、「患者○○の「家族のもの」だが・・・」と名乗られていろいろトラブルがあったようである。例えばフタをあけてみると、やはり同様、かかりつけといいながら数年前にわずかに通院歴があったのみであったり、また患者とはほとんど没交渉の遠い「親戚」が「家族」と名乗ったりであったそうだ。したがってそこの病院では定義づけがしてあった。「かかりつけ=慢性疾患で現在も継続して3ヶ月以上通院していること」、そして「家族=2親等以内で本人と同居するもの」であった。  はぁ~ここまで決めなければならないなんて世知辛い・・・、よっぽどトラブルがあったんでしょうね。でもたまに行く飲み屋で「俺は常連だ」と名乗っても、・・・大将! 怒らないでね(爆)。


かかりつけ?その2

2010年07月08日 06時40分16秒 | インポート

 大分探した挙句にようやく事務員が戻ってきた。「先生、カルテは見つかりましたが、・・・かかりつけですか?3年前に1回だけ夜間救急にかかったことがあるだけですが・・・」と。 ・・う~ん??患者さんにとってみれば、3年前でも、また1回だけでも、「かかりつけ」なんだと思ったらそうなのであろう。まあ「かかりつけ」の言葉の定義がないのでしょうがない。比較はできないが、飲食店の「常連」と同じなのかなぁ? 自称常連客:「大将! いつものね」  店の主人:(あれえ~? 口ぶりは常連のようだけど覚えてないな~誰だっけ?) 「あっ はい かしこまりました! ・・・で、何でしたっけ?」(笑)


かかりつけ?その1

2010年07月07日 06時37分31秒 | インポート

「かかりつけ」という言葉で思い出した。この言葉ほど極めてあいまいなものはない。昔、大学勤務医時代にいろいろな病院で当直したときの話である。救急隊から患者さんの収容依頼の電話がかかってきた。「腹痛の患者さんですがご本人がそちらの病院に「かかりつけ」といっています」と。かかりつけならむげにするわけにもいかぬ。収容OKの返事をした。ほどなくして患者さんは搬送されてきて事務職員はカルテを探し始めたが、まてど暮らせどカルテが見つからない。大分しばらくして職員がやってきた。


旅行 その2

2010年07月06日 06時36分53秒 | インポート

 開業初年度の夏休みに都内のやや遠いところに外出したところ携帯がなった。患者さんからである。「今日、行ったらシャッターが降りている。診療はしていないのか?」 私:「あっ申しわけありません。夏休みを頂いております」 患者さん:「聞いてない。薬出してくれ」 私:「・・あっ、わ、分かりました。今、出先におりますのですぐに戻りますが2時間くらいかかります。その頃いらして下さい」 患者さん「かかりつけなので、そうしてくれ!え?2時間?困るんだよなぁ~」 出先から急遽帰宅して処方箋をお渡しした。夏休みについては1ヶ月前から院内に張り出してある。ホームページにも出してある。でも一人ひとりには確実に伝えたわけではない。慢性疾患通院中の患者さんなので、休みを切り上げての帰宅もやむをえない。しかし、その後その患者さんは、ある日突然うちにはパタッと通院されなくなった。結局今は全くいらしていない。「かかりつけ」とは一体何であろうか?


旅行 その1

2010年07月05日 06時35分48秒 | インポート

 今年の秋で開業3年になろうとしている。大学時代は海外での学会発表やら行政の調査研究事業やらで年に2~3回は海外に旅行していた。ところが開業してからは海外はおろか国内の旅行もほとんどしていない。地域医療とはあまり長期間の遠出はできないものと理解した。もっともクリニックへかかってきた電話は自分の携帯に転送されるよう設定してある。とりあえず国内どこに行っても患者さんの急場には対応は可能である。だから国内旅行なら可能なのだが、もし急に戻らなければならないことがあると億劫なので、今のところ国内の長期旅行はしていない。開業初年度の夏休みにこんなことがあった・・・。


管理料 その2

2010年07月03日 06時47分30秒 | インポート

 ところが何回目かの診察後、受付から声が聞こえてきた・・・。その患者さんは領収書を見ながら「え~? 何これ、診察? 管理料? 自分はここのクリニックからは薬だけもらっているので診察とか血圧管理とかはしてもらってないですよ。これも払うの?」と声が聞こえてきた。クリニックはあくまで診療して投薬するものであるが、病状が安定していれば「処方のみ」ということも認められている。でもこれはあくまで血圧をきちんと「管理している」ということが条件なのである。またクリニックは薬屋さんではないので薬の販売だけを行っているのでもない。受けつけのスタッフが説明しているのが聞こえた。これで納得しなければ自分が出ようと思ったが、そのうちお帰りになった。案の定、その患者さんは以後、来院されていない。ご理解いただけなかったようだ。残念!


管理料 その1

2010年07月02日 06時32分40秒 | インポート

 大分前の話である。ある男性患者さんが来院されてきた。高血圧で自分の勤務先の近くの病院から降圧薬をもらっているそうである。何かあると便利なので自宅近くの当院にも通院したいとのことであった。確かに2ヶ月に1回くらいは薬がないので出してほしいと通院されてくるのであるが、不定期な通院であった。もちろん来院されれば診察したり問診したりもした。血圧はあまりコントロールされていないので「お薬少し増やすか替えるかしたほうがよろしいようですよ」といろいろ診察、診断、助言もしたつもりである。ところがある日・・・。


驚いた

2010年07月01日 06時35分34秒 | インポート

 先日、某医学部受験予備校から入学勧誘のハガキが亡父の名前宛で届いた。亡父宛に送られてきたということは入学対象者はこの私・・・ということになる。確かに大昔、自分は医学部受験で浪人していたが38年前のことである。情報内容の正否はさておき、よくまあ長きに渡って情報が保持されていたのかと感心もする。個人情報もこれだけながきに渡って保護(保持)して頂けたら本望である。しかしながら、この間ずっと私が浪人を続けているものと本気で思っているのだろうか? もっとも自分の子供がちょうど大学受験なので、それを見越しての青田買いなのであろうか?