吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

輸血と献血 その2

2013年09月10日 06時12分46秒 | インポート

 別の受診者の方である。また輸血と献血を間違って〇がつけてあった。「これは輸血ではなく献血ですね」というと。「え? 私はそうは思わない」とおっしゃるのだ。「そうは思わない」といわれても、そう決まっている単語なのでどうしようもないと思うのであるが、その方は頑なに献血のことを輸血であるといわれている。そしてその方は続けられた。「自分の血液が他人の輸血に用いられるのだから「輸血」でいいのだ」ということである。う~む何となく一理あるような気もする。まあ診療があるのでその献血・輸血会談はそのぐらいで引き上げた。さてその方が帰られ診療がひと段落したときにもう一度思い出した。行為の主体は自分である。自分が血液をあげることは献血であり、自分が受けることが輸血である。先ほどの受診者の方との話では「主語」をうやむやにしていた。やっぱり人に輸血用の血液を上げてもこれは「献血」なのである。でも話の勢いで何となく向こうに押し切られたようであった。


輸血と献血 その1

2013年09月09日 06時48分08秒 | インポート

 特定健診は6月から、そして長寿健診は8月からはじまっている。健診受診時には問診票があって過去に輸血を受けたかどうかを尋ねる項目がある。これはC型肝炎の存在が分からなかった時代の輸血でウイルスが感染している可能性があるからなのである。ここで気がついたのであるが、輸血歴に〇がしてある患者さんが結構いるので診察時に尋ねた。「輸血したことがあるということは、何か大ケガか手術でもされたのですか?」「は? いやないよ。生来健康だ。病院に行ったことがないのが自慢だ」「えっ? でも輸血してます・・よね?」「あ 輸血? 昔は年に1回くらいはしていたかな?」「年に1回も?」「ほら、よく駅前なんかに車がきているだろう、あそこでよくしたなー」 ・・・きっと献血のことを言われているのであろう。間違えて輸血歴に〇をしている受診者の方は結構いるのである。


健診

2013年09月07日 06時03分27秒 | インポート

 特定健診がはじまって3ヶ月、長寿健診がはじまって1ヶ月が経過しました。長寿健診については受診されるかたは多いのですが、特定健診はまだまだ受診される方が少ないようです。必ず受診するようにしましょう。区からの健診の書類は緑色の大き目の封筒に入っています。また同時に胃癌、大腸癌、肺がん、子宮がん、乳がんなどの癌検診のお知らせも入っていますのでぜひ受診されて下さい。近年PSA(前立腺癌検診)のみ特定健診に組み込まれましたが、特定健診をうけていれば、すべてのがん検診も採血で網羅されていると誤解されている受診者のかたも見受けられます。特定健診とがん検診は別々に行なわれておりますので、同時平行でお受けになってくださるよう。


配慮 その3

2013年09月06日 05時56分21秒 | インポート

 その自転車のご婦人をエレベータに乗せた。途中、会話などしなかったが、随分おくゆかしいというか誤解の過ぎるご婦人だなと思った。通常、歩道での自転車は走行中、歩行者を最優先させなくてはいけない。これは法規に近いマナーである。でもそんなこと守っている自転車はほとんど見たことない。本来、自転車は車道走行が原則であり、やむをえない場合にのみ歩道の走行が認められている。つまりやむをえない走行なのであるから、当然歩行者を優先させるべきなのである。しかしまあ通常の自転車走行は、脇をかすめて猛スピードで追い抜いていったり、歩行者に道をあけさせるためにベルを鳴らしたりで、一体どちらに優先権があるのか疑問におもってしまう。しかしくだんのエレベータでの自転車婦人では、歩行者を優先させなくともいいのに優先させているので、そのギャップには驚くばかりである。エレベータでのマナーの誤解よりも、歩道上での法規遵守を心がけて欲しいと思うのだが・・・。あっ、もちろんこのご婦人の歩道走行のマナーができていないといってるのではないのですが・・。


配慮 その2

2013年09月05日 06時03分27秒 | インポート

 その自転車のご婦人は「歩行者優先ですから歩行者とは一緒に自転車は乗れないんです」と・・・。そんなルールやマナーなんてないはずである。エレベータの中には張り紙があり「自転車は歩行者に配慮してください」とは書いてある。しかし「優先させろ」とか「自転車は一緒に乗ってはいけない」とは書いていない。このご婦人の過剰な思い込みである。「いいんです、いいんです、どうぞ先にいってください、でも降りたらエレベータの下降ボタン押して下さいね。そうしないといつまでも降りてこないので」と。そして彼女は独り言を呟いた(「あぁ・・もう3回も乗れないんだから・・」)。 この言葉を聞いて思わず「大丈夫ですよ、自転車のスペースもあるし一緒に乗っていいんですから」と少し強めに言ってしまった。このご婦人にはそのつもりはないのであろうが、「歩行者がいるから私は3回も乗れないんだよっ、一体いつ乗せてくれるんだい」と思っていると感じたのである。


配慮 その1

2013年09月04日 06時25分18秒 | インポート

 家の近くに石神井川が流れており、川べりには遊歩道がある。王子あたりには橋がかかっているが、橋から河岸までは階段もあるが、エレベータも設置されている。河岸には歩行者や自転車も多く、そのエレベータは川べりの遊歩道から橋の上に上がれるようになっている。この前のことであった。河岸から橋にあがろうとエレベータに乗ろうとした。すでに自転車のご婦人が一番先頭でエレベータがくるのを待っていた。程なくしてエレベータの扉があいたのであるが、その自転車のご婦人は乗り込もうとしない。列のうしろの歩行者に「どうぞ、どうぞ先に乗って下さい」と譲るのである。後ろの歩行者はエレベータに乗り込み、そして私も乗り込んだのである。「何で先頭に並んでいながら乗らないのかなあ?」と不思議に思いながらも、自転車が乗るには十分なスペースがあるので「どうぞ乗ってください」と私は自転車のご婦人に促した。ところがその人は「いえっ、だめです、私は乗っちゃいけないんです・・・」と。 えっ? どうなってるの?


風評 その3

2013年09月03日 06時05分16秒 | インポート

最近、Dという降圧薬の「脳血管障害を抑制する」という効能に捏造があったと報道された。嫌な予感がした。うちでもこの薬を出している。不安だったがやはり誤解された患者さんがおられた。患者さんは「Dという血圧の薬はとんでもない。高血圧に効かない薬なんていらない」とお怒りになられていた。「脳卒中を予防する」という効能は捏造だが、「血圧を下げる」という効能はきちんとあるのである。この患者さんは特に脳血管障害をお持ちでもなく降圧効果がきちんと得られているので、この薬の内服には問題はない。まあしかしデータの一部に捏造があったということで主たる降圧効果も患者さんは疑われているようであった。この患者さんの血圧は内服によって実際安定している。現状は効能を示しているのでこのままでよいのであるが、患者さんの気持ちとしては自分が内服している薬ということで一度いやになったらいやなのであろう。お気持ちは理解できる。「ちゃんと効いているのでわざわざ他の薬に変える必要はないですよ。薬を換えるとしばらくは血圧の変動があって微調整が必要になるので面倒だと思いますが」と説明申し上げた。


風評 その2

2013年09月02日 06時19分07秒 | インポート

このような患者さんがいた。外来に来るなり怒っているのだ。お話を伺うと「あの薬局はジェネリックとかいう古い薬をだしている。けしからん。あそこにはもう行かない」と・・・。どこでそのような誤解をされたかは知らないが、ジェネリック医薬品が期限切れ間近の古い薬であるというのは明らかな誤解である。十分に説明申し上げたのであるが、最後まで怒りのやり場がないようであった。帰られたあとにハッと気がついた。患者さんが不快に思ったり不満に思ったときにその感情は往々にして現場ではなく、帰られた後、つまりそこから離れた場所や施設で、しかも後から発せられることである。従って当事者である自分は気がついていないことも多い。誤解であってもなくても患者さんの不満が外部で発せられたら当事者は打つすべがないのである。外来診察の最後に「何か分からないことや足りないものはありますか?」と聞くようにしているが忙しい時はおざなりに聞いているかもしれない。もって我が身を律する必要がある。