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ひとつの時代の終わり

2010-06-07 | 音楽
”渋谷系”の聖地、「HMV渋谷」が8月中旬で閉店(ORICON STYLE)

「渋谷系」の発祥の地はタワーレコード渋谷店、というのが定説なのですが
実際の渋谷系の中心の店は、ここHMV渋谷とWAVE渋谷店だったと思います。

90年代前半ごろ、まだ宇田川町にあった店(現マルハンパチンコタワー)の
センター街側の入り口から右手に入ったところ、
そこは当時のミリオンセラーを連発するヒットチャートとは違う
「おしゃれ」な空気が流れる場所でした。

95年にタワーレコード渋谷店が移転、ひとつのビル丸ごとがCDショップ
(輸入書籍やDVD、当時はゲームなども販売)になってからは
渋谷でCDを買う、となるとついそっちにいってしまい
(無料で読める「bounce」も魅力でしたし)
HMVを見に行く頻度はどんどん少なくなっていました。

そして98年にはHMVもセンター街に移転したわけですが、
宇田川町時代にあった雰囲気が失われてしまい、
なんだか普通のHMVになってしまったな、と思っていました。

2000年にはスクランブル交差点・センター街入り口のQFRONTビルに
TSUTAYA渋谷店も開店し、渋谷で降りてすぐ入っていける環境ができましたが
新しく店が移転・誕生するたびにいわゆる渋谷独自の文化的な部分が
どんどんと薄くなっていったように感じます。

それはCDが売れなくなったり、特に洋楽が聴かれなくなったりといった
世間の音楽というものとの付き合い方が変わったこととも
無関係ではないというか、それがほかの地域よりも早く訪れたような
そんな印象も受けていたり。

ひとつの「時代」を作った店の終焉は、
やはりひとつの時代の終わりを感じてしまいます。

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