長男の命日に集まった家族を描いたこの映画、ほとんどイベント・事件らしきものもなく、起伏もなく、起承転結も見当たらず、下手をすると寝てしまいそう?と思うような穏やかで静かな映画なのですが、驚くほど良かったですよ~。家族構成やら各人の状況やら家の作りやら全くといっていい程違うのに、何だか自分の家・家族を見ているような気分になり、一気に惹きこまれてしまいました。一緒に観た友人も同意見だったので、きっと誰しも見覚えのある情景・聞き覚えのある台詞がちりばめられているということなのでしょうね。母親(樹木希林)と娘(YOU)の会話の自然さ、子連れ再婚の嫁(夏川結衣)に対する悪気のない言葉の暴力、居場所のない父親(原田芳雄)、等々何だか他人事とは思えないシーンのオンパレード&一つ一つのシーンがめちゃめちゃリアルです。この映画、折に触れて見たくなる映画ですね。(図らずも宣伝文句と似てしまいました。笑)
最近クセのある役ばかりの阿部寛が珍しく普通の役を演じているのが新鮮。また、樹木希林が時折残酷さを覗かせる所なんかは背筋がゾクッと来ます。あと、映画の中で母親の作る手料理が秀逸。とうもろこしの天ぷらやミョウガと枝豆の混ぜご飯とか、一見地味だけど手間がかかっている料理ばかりでとーっても美味しそう。。。ゴンチチの音楽もいい感じにマッチしてましたね。
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