「森聞き」という変な題名の記録映画を観た。
全国から選ばれた4人の高校生がそれぞれ、
・小学三年生から焼畑をしている85歳のお婆さん、
・合掌作り屋根葺き職人79歳、
・大杉によじ登り良質の種子を集める76歳、
・84歳になった雪国の樵、
のところへ赴き、近代化によって失われてゆく名人の技を見たり、名人の人生を聞き書きする。
高校生たちの将来に対する不安と疑問、名人の森林暮らしの技と深い人生観への驚き、聞き書き後の心境の変化、などを一人ずつ伝える2時間余りの記録映画である。
名人たちは苦労が多かった人生に対し肯定的であり、自信と誇りを持っている。
方言のため聞き取りにくい名人たちの述懐は、未だにふらふらと迷っている森生にも驚きだった。
サラリーマンだった自分には、後輩に伝えるものがあるのだろうか.......。
ところで、この記録映画は失敗作である。2時間余は長過ぎる。いい素材なのに惜しいことをした。
話下手な高校生の呟きを延々と聞かされるより、名人たちの技をもっと詳しく見せて欲しかった。
NHKの「秩父山中花のあとさき・ムツばあさんの秋」の方が、映像作品としてずっと良かった。
上映後、屋根葺き名人から聞き書きをした元高校生が登壇した。
聞き書き経験は得るものが多かった、とはきはきと明るく話すステキな女子大生に成長していた。
こういう有意義な活動を応援しよう。
「聞き書き甲子園」と「共存の森ネットワーク」をご覧下さい。
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