6月1日、藤島部屋の元小結・垣添関の断髪式に出席してきました。
入門の頃から知っているので、もう断髪か、という感じです。
入門時の学生服の頃から知っている人たちが引退するときは「力士でいられる時間は短いんだなあ」といつも思ってしまいます。
そのまま角界に残る人、この世界から身を引く人、さまざまです。
勝負の世界だけに、こころざし半ばで引退する人は本当に悔しさが残るでしょう。
逆に、番付に関係なく、燃え尽きるまで相撲が取れた人は幸せなのかもしれません。
当日は横浜市内の寺院で住職さんの葬儀があり、国技館に到着した時はすでに断髪式が始まっていました。
相撲甚句や幕下の五人抜き相撲、、また髪結の実演、十両も有取り組みもあったのですが、残念ながら見ることはできませんでした。
断髪式には日体大理事長の松波健四郎さんなど、垣添の母校、日体大関係者の方も多くはさみをいれておられました。
ハンドボールの宮崎大輔さんも日体大の後輩であり、同じ大分の出身。
和歌の山や剣岳など、引退した部屋の力士達もかけつけ、同じ釜の飯を食べた力士が髷にハサミを入れる様子は、感動的ですらありました。
垣添本人も目を赤くしてましたね・・・。
関取衆で一番にハサミを入れたのは、やはり横綱白鵬。力士会会長さんです。
続いて大関稀勢の里。
続いては豪栄道
そして嘉風。日体大の後輩でもあり、同じ大分出身でもあります。
ハサミを入れた方たちは、力士のみならず、皆さんねぎらいの言葉をかけていきますが、同郷の力士からのねぎらいの言葉は重く響くのでしょうね。
一緒に稽古を頑張った藤島部屋力士代表、翔天狼。ちょっと寂しそうでした。
力士衆が減って、幕内は彼一人ですからね・・。
元横綱・三重の海こと前・武蔵川親方。現在は相撲博物館館長の石山五郎さんです。角界入門時の師匠。
武蔵川の稽古の厳しさは有名でした。
そして最期は現師匠、藤島親方。
ザクザクと音を立てて髷にハサミを入れていきます。武双山の断髪の時のことを想い出しました。
今はツルツルに剃りあげている藤島親方ですが、髪の毛の量はかなり多かったです。あの時は前武蔵川親方がザクザク遠慮なく髷を切っていました。
切り上げた髷を披露します。
いろんな想いが胸の中を去来するのでしょう、一瞬表情が崩れそうになりました。
土俵下で見守っていた奥さんから、花束の贈呈です。
同じスポーツ、相撲の世界に身を置いていた彼女だからこそわかる、垣添の現役時代の苦労。万雷の拍手でした。
土俵下では垣添の長男、玄空(はるく)くんが父親の土俵上の最後の姿を必死で見守っていました。泣けてくるねェ(T_T)
見ることはできませんでしたが、断髪前の最期の稽古で、玄空くんが稽古をつけてもらったのだとか。
玄空くんの髷が、こころなしか小刻みに揺れています。
白鵬、日馬富士両横綱の土俵入りに続いて、幕内の取組があり、弓取り式が行われて断髪式は終了しました。
全ての断髪行事が終わって、場所を国技館地下の大広間に移し、襲名披露パーティがおこなわれました・・・・・写真はありません(^^ゞ
元小結垣添こと雷(いかづち)親方。これからは後進のために身を粉にして奮闘努力していただきたいものです。
「力士たちの心が折れそうになった時に、少しでもプラスになる言葉をかけられるようになりたい」
最期の場所を全敗で終えた垣添にしか伝えられない言葉が、きっとあるはず。
期待しています。
ウチに帰って記念品を見たら、本が入っていました。
なになに、「美しい黒星」・・・・・・
奥さんの栄美さん、親友の剣岳こと宮本さんのインタビューがこころに沁みます。
垣添最期の取り組みで、玄空くんが必死で「かきぞえ~!」と叫んでいた場面を思い出しました。
いい本です。
今日はここまで。