Risa’s 音楽雑記

ピアニスト 山形リサのブログです。
音楽の話を中心に、日常の出来事などを気ままに綴っています。

若きウェルテルの悩み

2011-04-17 03:03:59 | Weblog
近頃の私。

オペラ「ウェルテル」にどっぷりはまっています。

超しつこく人妻にせまり続け、挙句にその旦那のピストルを使ってクリスマスに自殺しちゃうというかなりのKY(空気読めない)&肉食男子のウェルテルさん。

声楽家の友人曰く

「いい声で歌われると、ウェルテル・・・素敵♪って思っちゃうのよ~、これが。」


器楽の私的には、音楽の素晴らしさに、

「ウェルテルさんは、一途な愛を貫き通した、情熱的で純粋な男性・・・♪」

と、結果なっていくから不思議です。


ウェルテルが死にゆく間際に、シャルロット(素晴らしき人妻)が

「私も・・・ウェルテル・・・私もあなたを愛してるわ!!」

と、ようやっと愛にこたえる場面があるのですが(and I…と2回どもるあたりがたまりませんな)、その「じゅてーむ!」を聴いた日には、その後2日間くらい切ない気分を味わえます。

オペラではよくわからない細かな疑問を解決すべく、ゲーテの原作を読んでみると、またまた1週間くらい切ない気分を満喫できました。

肝心なところで逃げないで、さっさと奪うなり、かけ落ちでもすればこんな結果にならなかったでしょうに、いつもちょっとだけ惜しいウェルテルさんであります。

原作の方がより人間臭さを楽しめますが、やっぱりオペラの方が劇的ですし(音楽の後押しってすごい!)、なんといっても完全にいっちゃってるウェルテルさんが素敵だと思います。

原作が出版された時には、若者の間でウェルテルファッションや自殺が流行したそうですが、オペラの中のウェルテルさんは、如何せん、そんな次元にはいらっしゃらないのです。

真似ごとで自殺することはできても(これも凄いことですが)、残念ながら、ウェルテルさんのように本当に幸せの絶頂で死んでいけるなんてそうそうないと思いますね。

私だったら、両想いだったのに勿体ないことしたな~、本当に自殺しないで演技にしとけばよかったな~、今は泣いてくれてても、数年後には誰からも忘れ去られて放置されるんじゃないかな~などなど確実に後悔します。

でも、ウェルテルさんはどっちだっていいのです。

まさに、自己中、万歳!


この完全にいききっちゃってるところが、なんというか・・・・憧れるなぁ。


これが同じシチュエーションでも、、、、

柴又の寅さんだったら、自分は涙をのんで身を引いて、好きな人の応援をするんですよね。

これはこれで大好きなんですけど、これぞ‘The日本’な気がするのは私だけかな。


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