――――― 第 8 場 ―――――
フェード・インする。(カーテン開く。)と、
中央、一つのベンチ。
鈴の音が段々と遠くから聞こえてくる。
“ジングルベル”の曲が静かに流れる。
そこへ上手より一組のカップルが、
幸せそうに寄り添いながら、ジェフの
前を通り過ぎる。
ジェフ「・・・今日は・・・クリスマスか・・・」
ジェフ、ベンチへ腰を下ろし何か思う
ように。
一時置いて、下手よりコートに身を包
んだローズゆっくり登場、ジェフの側へ。
ローズ「・・・ジェフ・・・」
ジェフ「やぁ・・・(立ち上がる。)どうだい・・・?少しは元気になっ
たかい?」
ローズ「(ゆっくり首を振る。)・・・淋しいわ・・・とても・・・」
ジェフ「同じだよ・・・。」
ローズ「・・・いなくなると・・・今まで以上にあの子の存在が、どん
どん大きく膨らんで・・・破裂しそうになるの・・・。」
ジェフ「だけど何時までもローズが悲しんでいると、ジョーイも心
配すると思うな・・・。あいつは心から君を大切に思ってい
たから・・・。」
ローズ「分かってる・・・でも・・・」
ジェフ、ローズの手を取って、ポケットから
出した小さな袋包みを握らせる。
ローズ「・・・何・・・?」
ジェフ「クリスマスプレゼント・・・」
ローズ「開けていい・・・?」
ジェフ「ああ・・・」
ローズ「(中を覗く。途端に嬉しそうに、中から小さな小瓶を取り
出す。)金平糖ね・・・!(瓶を見る。)」
ジェフ「雪のプレゼントはできないけど・・・。(微笑んでローズの
嬉しそうな様子を見る。)」
ローズ「ありがとう、ジェフ・・・。」
ジェフ「ジョーイの願いでもあったんだ・・・。ホワイトクリスマスは
・・・」
ローズ「ええ・・・」
その時、チラチラと白いものが舞い落ちてくる。
ローズ、逸早く気付いて見上げる。
ローズ「・・・ゆき・・・?(手を出す。)」
ジェフ「え?(見上げる。)」
音楽、段々大きく流れ、雪が降ってくる。
ジェフ「雪だ・・・」
ローズ「(嬉しそうに。)雪だわ!!ホワイトクリスマスね!!」
ジェフ「ジョーイの・・・プレゼントだ・・・。」
ローズ「(見上げたまま涙を堪えるように。)ジョーイ・・・」
ジェフ「やったな、ジョーイの奴・・・。最高のプレゼントを君に贈
ったんだ・・・!」
ローズ「(空に向かって。)・・・メリークリスマス!!ジョーイ!!
(叫ぶ。)」
ジェフ「メリークリスマス!!」
2人、嬉しそうに微笑み合い、寄り添う。
ジョーイの声「兄ちゃん・・・姉ちゃん・・・幸せになれよ・・・」
音楽豪華に盛り上がって、雪のチラチラ舞う中
――――― 幕 ―――――
本来は、オリジナル物しか書かないのですが、ずっと以前
一度だけ、原作のある童話(?)の脚本をお願いされたことが
あります^^;その時は、どうして書けばいいかよく分からず、
図書館でその本を借りて、読むところから入ったのですが、
多分、出来上がった作品は、原作とは全く違ったものになって
いたかも知れません^_^;
皆さんも、何の童話かはあまり深く考えずにお読み下さい^^;
それでは次回、私作品で最初で最後の脚色物・・・とでもいい
ましょうか・・・“ゲルダ”ご紹介致します(^_^)v
お楽しみに♪
どら。
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