〈 主な登場人物 〉
老ネコ ・・・ ネコの村の長老。
シュワッチ ・・・ レンジャー戦士に憧れて、都会へ出て行
た。
ネコ吉 ・・・ ネコの村に住む。
ミータ ・・・ ネコの村に住む。
一番ネコ
ノラ ・・・ 都会に住む。シュワッチと友達になる。
食いしん坊 ・・・ネコの村に住む。
ボウネコ ・・・ ネコの村に住む。
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
――――― 第 1 場 ―――――
音楽流れる。
上手スポットに、希望に瞳を輝かせ、
彼方を見遣るシュワッチ、浮かび上がる。
シュワッチ「僕・・・歌って踊れるスターになりたいんだ!!あの
テレビの中のレンジャー戦士のように、悪い奴らを懲
らしめる、正義の味方になりたいんだ!!だから、僕
は都会へ行く!!都会へ行って、スターになるんだ
!!」
音楽大きくなり、シュワッチ力強く歌う。
“町へ行くんだ夢を叶える為に
どんな小さな夢だって
見てよかったと思える為に
町へ行くんだ!
願いを胸一杯詰め込んで
昇った朝陽に手を振ろう
大いなる希望
新たな冒険
住み慣れた村を飛び出して
今こそ町へ出かけよう!!”
上手スポット、フェード・アウトする。
同時に下手スポットに、村のネコ達(老ネコ以外)
心配そうな面持ちで浮かび上がる。
ネコ吉「シュワッチ!!」
他のネコ達、声を揃えて「シュワッチ!!」
舞台、フェード・インする。
ミータ「あんなこと言って、シュワッチがこの村を出て行って3ヶ
月・・・」
ボウネコ「どうしてるのかなぁ、シュワッチ・・・。」
一番ネコ「こんな田舎から出てって、誰でも直ぐにスターになれ
るんなら、世の中スターだらけだ!スターになんか、そ
う簡単になれっこないんだよ!!」
ネコ吉「一番ネコ・・・。」
食いしん坊「僕も一緒に行きたかったなぁ・・・。」
一番ネコ「ばぁか!おまえが行ってたら、直ぐに腹空かせて逃
げ出してくるに決まってるだろ?都会で暮らしていくな
んて、おまえみたいにのんびりしてる奴には、到底無
理なんだよ!」
ネコ吉「そう言えば、一番ネコは昔・・・町に住んでたことがあっ
たんじゃ・・・」
一番ネコ「(少しばつが悪そうな顔をする。)あ・・・ああ・・・もう忘
れちまったよ!そんな昔のこと・・・」
ミータ「(嬉しそうに。)逃げ出して来たのね?」
一番ネコ「煩いな!!都会の水は、俺には合わなかっただけさ
・・・!」
食いしん坊「都会の水って、どんな味?」
一番ネコ「知るか!!」
そこへ下手奥より、老ネコゆっくり登場。
老ネコ「何か揉め事かな?」
ネコ吉「老ネコ!違うんだ、今、皆でシュワッチのことを話してた
んだ。」
ミータ「スターになるんだって行ったっきり、何の音沙汰もなし!」
食いしん坊「テレビにも出ないし・・・」
ボウネコ「もう3ヶ月・・・」
一番ネコ「生きてるのか死んでるのかも分かりゃしないさ!」
ネコ吉「一番ネコ!!」
一番ネコ「だってそうだろ!?都会のビルの隅っこで、食うもん
もなくて・・・ネズミを取る元気もなくて、今にも死にそう
で引っ繰り返ってたって、町の奴らにはちっとも構やし
ないのさ!!他の奴に構う暇があったら、自分の心配
してろってな!!」
ミータ「酷い・・・(泣きそうになる。)」
ネコ吉「言い過ぎだよ、一番ネコ。」
老ネコ「まあまあ・・・、シュワッチは元気じゃよ。」
ミータ「本当!?」
老ネコ「ああ。」
ボウネコ「どうして知ってるの!?」
一番ネコ「帰って来たのか!?」
ネコ達、一番ネコの言葉に其々嬉しそうに
歓声を上げる。
老ネコ「いいや、帰ってきたんじゃないわ。」
ネコ達、ガッカリしたように溜め息を吐く。
老ネコ「だが、帰って来るらしい。」
ネコ達、飛び上がって喜ぶ。
ミータ「何時帰って来るの?」
老ネコ「(手紙を見せて。)今朝、シュワッチから届いた手紙じゃ
よ。」
一番ネコ「見せてくれよ!!(老ネコの持っていた手紙を取り上
げる。)」
一番ネコ、手紙を広げる。他のネコ達、
周りに集まる。
食いしん坊「何て書いてあるんだい?」
ボウネコ「早く読んでよ!」
一番ネコ「む・・・む・・・むら・・・の・・・」
ミータ「もう!!何言ってんのよ!!」
一番ネコ、字が読めずに首を傾げて、
難しそうな顔をして手紙を見詰めていると、
ネコ吉、その手紙を取り上げ読み始める。
ネコ吉「村の皆へ・・・。お元気ですか・・・」
ネコ吉の声に被って、シュワッチの声に変わる。
シュワッチの声「僕はとっても元気です!!今では町の生活に
も漸く慣れましたが、初めてここに着いた時、雲
に届きそうな高いビルや、テレビでしか見たこと
のない車が、実際に目の前をビュンビュン走っ
ているのを見た時には、冗談かと思いました。
そうそう、この間、初めてレンジャー戦士の撮影
現場へ見学に行って来たんだ。実際に見る、赤
レンジャーや青レンジャーは、テレビで見るより
随分小さいんだぜ!町には村では想像もしなか
ったような驚きや発見が、毎日あるんだ!ところ
で最近よく皆の夢を見ます。ここに来て改めて、
村の良さに気付いたって言うか・・・。皆に会いた
いよ・・・。だから一度、村へ帰ります!!今、直
ぐに!!」
嬉しそうなネコ達。
フェード・アウト。
――――― 第 2 場 ―――――
上手客席前より袋を担いだシュワッチ登場。
続いてノラ、不思議そうに回りを見回しながら
登場。話しながら客席前を通って下手方へ。
ノラ「(だるそうに。)おい、シュワッチ!おまえの言ってる村は、
まだなのかよ・・・。俺、もう歩き疲れてクタクタだぜ。」
シュワッチ「もう少しさ!(下手方を指差して。)ほら!あそこに
見える橋!!あの橋を渡れば、もう僕の故郷、ネコ
の村だよ!!皆どうしてるかなぁ・・・。3ヶ月も会って
ないんだもんな。僕はあの村で生まれて、あの村で
育ったんだ。だから今までこんな長いこと・・・」
ノラ「(シュワッチの言葉を横取りするように。)皆と離れて暮らし
たことはない!!」
シュワッチ「・・・ノラ・・・」
ノラ「全く・・・おまえと知り合ってから、俺はネコの村のことを聞
かなかった日はないぜ!お陰で・・・」
ノラ、語りかけるように歌う。
“俺は今じゃネコの村博士
何でも知ってる誰よりも
丸でそこに住んでたように
目を閉じれば手に取るように
見えてくるんだ何もかも
おまえは何でも言いたがり
俺は黙って聞くばかり
そんなに素晴らしいところなら
一目はお目にかからなきゃ
さぁ見せてくれ!
おまえの自慢の仲間達!!”
シュワッチ、ノラ、下手より舞台へ。
シュワッチ「(嬉しそうに周りを見回して。)懐かしいなぁ・・・。もう
何年も留守にしてたみたいだ!!」
ノラ「随分、田舎なんだなぁ・・・。(周りを見回す。)」
シュワッチ「皆は何処にいるんだろ・・・。おーい!!(周りを探す
ように。)」
そこへ、上手より話しながら村のネコ達
登場。
ミータ「だからラッピングは初めから私に任せてくれればよかっ
たのよ!」
一番ネコ「ミータにこんな特技があったとはねぇ。」
ミータ「失礼ね!!」
食いしん坊「それを言うなら一番ネコだって・・・」
ネコ吉「そうさ!(手に持っているプレゼントの箱を見て。)だけ
ど、素敵なプレゼントになったね!」
シュワッチ、村のネコ達に気付く。
シュワッチ「皆!!」
村のネコ達、シュワッチに気付く。
お互いに駆け寄る。
ネコ吉「シュワッチ!!」
他のネコ達口々に「シュワッチ!!」
ミータ「(シュワッチに抱きつく。)おかえりなさい、シュワッチ!!
」
シュワッチ「ただいま、皆!!」
ネコ吉「元気にしてたかい?」
シュワッチ「見ての通りさ!!」
食いしん坊「久しぶりだなぁ・・・!!」
シュワッチ「おい、食いしん坊!また一段と大きくなったんじゃな
いか?(笑う。)」
ボウネコ「ねぇねぇ、お土産は?」
一番ネコ「おい!」
シュワッチ「勿論さ!!ほら!!(持っていた袋を、ボウネコの
方へ差し出す。)」
ボウネコ「わぁ!!(袋を抱かえて座り込み、ゴソゴソ中を覗く。)
」
ミータ「私達からもあるのよ!!ね、皆!!」
ネコ吉「(シュワッチに箱を差し出して。)はい、シュワッチ!」
シュワッチ「うわぁ・・・(箱を受け取って、。)ありがとう、皆!!」
ネコ吉「一番ネコが一生懸命、作ってくれたんだよ。」
シュワッチ、包みを開けると、中から
シュワッチ似の木彫りの人形が出てくる。
ボウネコ「木は僕が探してきたんだ!」
ネコ吉「食いしん坊が色塗り、ミータがラッピング・・・」
一番ネコ「ネコ吉のアイデアなんだぜ!だからあれだ・・・これは
皆で作った合作って奴だ!」
シュワッチ「・・・ありがとう、皆!!」
途中、退屈そうにゴロンと横になって、
皆の話しを聞いていたノラ、わざとらしく
咳払いをする。
皆、一斉にノラの方を向く。
ノラ「おい、シュワッチ!感激の再会はそれくらいにしといて、俺
のことも紹介してくれよ。(立ち上がる。)でなけりゃ、退屈で
退屈で寝てしまいそうだ・・・。(欠伸をする。)」
シュワッチ「あ・・・ごめんよ!」
ネコ吉「誰だい?シュワッチ。」
シュワッチ「え?うん!紹介するよ!町でできた友達で・・・」
一番ネコ「ノラ・・・」
シュワッチ「そう!!ノラ・・・え・・・?」
ノラ「(一番ネコを認めて。)一番ネコ!?一番ネコじゃないか!
!」
シュワッチ「知ってるのかい?」
ノラ「知ってるも何も・・・なぁ、一番ネコ!!(一番ネコに近寄っ
て、肩に手を掛ける。)」
一番ネコ、暗い面持ちをして横を向く。
ノラ「俺達は同じ町で生まれ育った兄弟みたいなものなのさ!
なぁんだ一番ネコ、突然町からいなくなったと思ったら、こん
な田舎でくすぶってたのか!(笑う。)」
シュワッチ「へぇ・・・ノラと一番ネコが友達だったとはね!世の
中広いようで狭いって言うのは、こういうことを言う
のかな?(笑う。)」
ノラ「退屈凌ぎのつもりだったが・・・楽しくなりそうだな、一番ネ
コ!!」
一番ネコ、複雑な面持ちをする。
音楽でフェード・アウト。
――――― 第 3 場 ―――――
下手スポットに、老ネコ浮かび上がる。
老ネコ「・・・あれは今から丁度、一年程前のことじゃった・・・。所
用で出掛けた都会の町で、偶々悪さをしておる一匹の野
良猫と出会ったんじゃ・・・。それが今の一番ネコじゃった
・・・。」
上手方スポットに、目つきの悪い一番ネコ、
一番ネコに怯えるように立つ子猫が浮かび
上がる。
老ネコ、そのまま正面を向いて立ち、2匹の
猫の遣り取りを見ているように。
一番ネコ「おい、おまえ!!その手に持っているのはなんだ?」
子猫「(手に持っていた袋を、慌てて後ろへ隠すように。)な・・・
なんでもないよ・・・」
一番ネコ「嘘吐け!!(匂いを嗅ぐように。)・・・俺様の鼻には、
何かとんでもないご馳走の匂いがするがね・・・!!」
子猫「ほ・・・本当になんでもないよ・・・」
一番ネコ「その袋を俺によこせよ!!(無理矢理、袋を取り上げ
る。)」
子猫「あ・・・!!やめてくれよ!!それは祖母ちゃんのお見舞
いに、母ちゃんから預かった・・・!!」
老ネコ(下手スポット、正面を向いたまま。)
手に持っていた杖を、一振りする。
老ネコ「これ!!」
一番ネコ(上手スポットのまま。)誰かに
頭を叩かれたような格好をする。
一番ネコ「(頭を押さえて。)いてっ・・・!!(正面を向く。老ネコ
に気付いたように。)何すんだよ、じじい!!」
老ネコ、一番ネコ、其々正面に相手が
いるような芝居。
老ネコ「その袋を子猫に返してやるんじゃ。」
一番ネコ「いやだね!!」
老ネコ「そんな小さな子猫を苛めてどうするんじゃ。格好悪いの
ぉ。(笑う。)」
一番ネコ「うるせぇ!!俺は腹が減ってんだ!!じじぃになんと
言われようと、俺はこの袋の中のご馳走で、腹一杯に
なるんだ!!」
老ネコ「おまえ、腹が減っておるのか?」
一番ネコ「・・・ああ!!そう言ってるだろ・・・!!」
老ネコ「それじゃあ、わしについて来い。腹一杯飯を食わせてや
るぞ。」
一番ネコ「・・・え?」
老ネコ「何驚いたような顔をしとるんじゃ。さぁ、そいつを子猫に
返して、一緒に来なさい。」
一番ネコ「・・・じじぃ、からかってるのか!?」
老ネコ「(笑う。)何もからかっちゃおらんよ。もし嘘じゃったら・・・
(ポケットから金貨を取り出して見せるように。)この金貨
を1枚、おまえにやろう。」
一番ネコ「(呆然とする。)・・・本物の金貨だ・・・」
老ネコ「さぁ、年寄りの好意は素直に受けるもんじゃぞ。(微笑む
。)」
一番ネコ「・・・(ゆっくり頷いて、袋を横の子猫の渡す。再び正面
を向いて、上目使いに相手を見るように。照れ臭そう
に微笑む。)」
上手スポット、フェード・アウト。
――――― “ねこの村は大騒ぎ”2へつづく ―――――
(どら余談^^;)
今日は、またまた朝からインターネットがつながらず・・・
先月修理してもらったばかりで可笑しいなぁ・・・と思いながら、
先月のようなことになっては・・・と早めに再び故障ダイヤル
に電話して調べて頂いたところ、なんと今回はマンション自体
の・・・なんでしょうか・・・機械?が故障してて、マンション全戸
の電話回線が不通だと言うことが判明・・・(ーー;)
お昼から修理に来て頂き、無事、事なきを得ました(>_<)
よかった~・・・(・。・;
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(おまけフォト^^;)
今日の小学校公演で、開演前に出番待ちして
いるお人形達です♪
向こうの方に、クリフくんの姿も見えます。
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://ritorupain.blogspot.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
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