4月からNHK総合テレビで毎週土曜日(よる8時15分)放送中の黒柳徹子さんの自伝エッセー「トットひとり」「トットチャンネル」を原作にしたドラマ「トットてれび」。5月21日放送の第4話では,ニューヨークから黒柳徹子さんが,沢村貞子さんあてに出した手紙の宛名が,
「日本,東京都,渋谷区,沢村貞子様」
脇に,「住所録忘れました,郵便屋さん,よろしくお願いします。黒柳徹子」
町名,番地無しであったが,郵便屋さんが,ちゃんと届けてくれた,とのエピソードが取り上げられていました。
この手紙の一件と黒柳さんと沢田さんの交友を,沢村貞子さんのマネジャーを永く務めた山崎洋子さんが,自著『沢村貞子という人』で,次のように書いています。
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「日本,東京都,渋谷区,沢村貞子様」
脇に,「住所録忘れました,郵便屋さん,よろしくお願いします。黒柳徹子」
海外からの手紙である。
町名,番地無しだが,黒柳徹子さんにお願いされた郵便屋さんは,ちゃんと届けてくれた。
沢村さんは,「チャックって,ほんとに,おもしろい子だわねえ」 と,言い,ひとしきり,みんなで笑わせていただいた。
黒柳さんは,地方からはもちろん,海外からも必ず,手紙や絵葉書をくださり,夫妻は,それを,たのしみにしていた。
地方公演は,毎日のように移動があり,途中で,「徹子の部屋」等の収録のため,東京に帰る,といった,大変なスケジュールのはずである。
「チャックが送ってくれたのよ」
と,地方のめずらしいお菓子など,私も,よく御馳走になった。父さん母さん(黒柳さんは,大橋さん沢村さん夫妻のことをこう呼んでいた)に食べさせたいと思ってくださっただけでも,うれしいが,送る手配をすることって結構めんどうなことなのに。
海外でのスケジュールはさぞかし大変なものだろうと想像され,私はいつも,よく書けるものだと,不思議に思っていたが,黒柳さんの著書『小さいときから考えてきたこと』を読み,やはり,そうだったんだと納得した。
「私は,この四十年間,外国に行った時,必ず,二枚の絵葉書は,出した。どんなに苦労しても,出した。それが,母さんと(* 沢村貞子さん),兄ちゃん(渥美清さん)だった。この秋,仕事でニューヨークに行き,絵葉書屋さんの前で,私は立ち止った。唇をかんだまま,しばらく動けなかった」 簡単にポイと出した絵葉書では,なかったのだ。 ・・・・・・・・・(以下略)
『沢村貞子という人』 p167~p168 山崎洋子著・新潮社刊
小さいときから考えてきたこと (新潮文庫) | トットひとり | わたしの献立日記 (中公文庫) | |||||||
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