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瀬島龍三氏語録-2 「稲盛財団会長に就任」

2019-09-04 11:35:28 | 「身の程」人生













幾山河―瀬島龍三回想録
瀬島 龍三
産経新聞ニュースサービス

 


photoの出所:『瀬島龍三 回想録 幾山河」より


 今日9月4日は,太平洋戦争中に大本営参謀を務め,戦後は経営者,政界ブレーンとして活躍した瀬島龍三氏の命日です。氏は,稲盛和夫氏が1984年に設立の稲盛財団 https://www.inamori-f.or.jp/ の初代会長に就任している。その経緯を,『瀬島龍三 回想録 幾山河」(p458~p460)で次のように述べている。


 京セラ創業者の稲盛君は,創立二十五周年 (昭和五十九年)に当たり,個人の資産約二百億円相当を拠出して財団を設立し,人類の科学発展,文明発展に貢献した人々を顕彰し,また,国内の人知れず努力している研究者を発掘し,助成しょうと決心した。財団は通産省,科学技術庁,文化庁の主管下に五十九年四月,認可を受け,設立された。
 昭和六十年八月,私と妻はかねて懇意の越智啓介スウェーデン大使夫妻の勧めでストックホルムを訪問した。たまたま同時期に,越智大使の斡旋によりノーベル財団との打ち合わせに来訪していた稲盛会長夫妻,森山副社長夫妻,矢野暢京大教授夫妻と一緒になった。
 その夜,大使公邸で稲盛君が財団設立に対する真情を吐露した。
 私が感動したのは,「私の人生観として,この世における最高の行為は人のため,世のために尽くすことと信じています。京セラが今あるのは全く世界の科学技術文明のおかげであり,いささかなりとも世界に還元したい。財団基金は主として私の個人資産を寄付して設立したい。これについては妻も子供たちも完全に了解をしています (これは個人出資の大規模財団としては我が国では最高額ではなかろうか)」と述べた彼の言葉だ。

 私は稲盛,森山両氏とはかねてから親しくしており,こう打ち明けられて,本当に我が国の経済界には珍しい,立派な発意着想だと思った。そして,ストックホルム滞在中に,財団についていろいろアドバイスを求められたので,こう助言した。「財団の名称は,出資者の名を冠して『稲盛財団』でよいと思うが,『賞』の名称は世界に親しまれている 『京都賞』としてはどうか。それによって地元京都の大きな支持が得られるだろう」。
 稲盛君はじめ,その場にいた人は全員が同意し,越智大使はさらにこう助言した。「スウェーデン王室との関係から,我が国も皇室の方に何らかの形で関与していただくのが望ましい。また,財団発展のためには地元京都府,京都市その他の広い支持,協力が必要で,これらのためには適当な会長職を設けた方がよい」 これも皆さん同意のようだった。
 帰国して間もなく,稲盛,森山両氏が来訪して,通産省などとも相談した結果として,私に財団会長になって協力してほしいと正式に要請された。私は京都の特殊性から京都に縁の深い人がよいと考えていたが,通産省の小長啓一次官からの強い勧めもあり,応諾することにした。

 ┏━┓                    
 ┃ 稲盛財団 
 ┗━╋…──────────────────────────────


     https://www.inamori-f.or.jp/
◆概要
・設立年月日: 1984年4月12日
・正味財産: 1,145億円〔2019年3月末現在〕
・行政庁: 内閣府
・所在地:〒600-8411 京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸 7F
   
◆事業目的イメージ
「人のため,世のために役立つことをなすことが,人間として最高の行為である」そして,「人類の未来は,科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて,初めて安定したものになる」という創設者の理念に基づき,科学や文明の発展,また人類の精神的深化・高揚に向けての創造的な活動に対する顕彰,助成および社会啓発活動などを通じて,国際相互理解の増進に努め,人類の平和と繁栄に積極的に貢献していきます。

  稲盛和夫氏















心。
稲盛和夫
サンマーク出版




 

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