国内最大の金鉱山
伊佐市の「菱刈鉱山」は,いまや日本で唯一商業規模で操業が行われている金鉱山である。菱刈鉱山では毎年,国内の産出量の9割にあたるおよそ6トンの金が採掘されている。菱刈鉱山には合計156もの鉱脈(鉱床)がある。鉱脈ができたのは約100万年前と,金鉱脈としては非常に新しい。長さは東西に約3キロメートル。そこに迷路のように張り巡らされている。
鹿児島県の北東部に位置する伊佐市菱刈(旧伊佐郡菱刈町)。周りには住宅が点在し,田んぼの中の小高い丘に,その入り口はある。住友金属鉱山が開発する菱刈(ひしかり)鉱山。1983年に本格開発を開始,現在も年6トンの金を産出している。これまで日本には多数の金鉱山があったが,次々と閉山。いまや日本で唯一商業規模で操業が行われている金鉱山である。
>>> 2012年 「菱刈鉱山」で新たな金の鉱床を発見
2012年10月,住友金属鉱山 http://www.smm.co.jp/ は,鹿児島県伊佐市菱刈前目3844の「菱刈鉱山」で新たな金の鉱床を発見したと発表している。
金の埋蔵量は,開山当初は120トンといわれていたが,1985年の出鉱開始以来すでに現在まで累計230トンを掘り出している。佐渡金山は累計83トンで閉山したが,それを超えている。しかも追加探査のたびに埋蔵量は増える。現在(2016年末時点)の埋蔵量は170トンと推定される。
出典:http://www.smm.co.jp/corp_info/domestic/hishikari/kyoten.html
⇒⇒ニュースリリース ⇒ 菱刈鉱山における下部鉱体の開発について 2012/10/09
http://www.smm.co.jp/news/release/2012/10/post-152.html
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出典:http://www.smm.co.jp/corp_info/domestic/hishikari/kyoten.html
菱刈鉱山は鉱石1トン中に含まれる平均金量が約40グラムという高品位(世界の主要金鉱山の平均品位は約3〜5グラム)であり,現在も1年間に6トンの金を産出している。過去には日本国内にも多数の金属鉱山があったが閉山が相次いつぎ,日本国内で商業規模で操業の金属鉱山は,菱刈が唯一となった。
菱刈鉱山の大きな特徴は,掘り出した鉱石の中にどれだけの金の量があるかという品位にある。世界的には1トン掘り出して平均5グラムという。これに対して同鉱山は30グラム(2016年実績)という高品位である。現在,住友金属鉱山の中期計画では,毎年約21万トンの鉱石を出鉱し,平均品位30グラムとして年間約6トンを生産していく計画である。鉱山寿命はいまのところ,約30年と見込まれている。
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