ファミリーレストランのジョイフル(本社 大分市・2017年期売上高656億円/ 福岡証券取引所上場)は13日,改正健康増進法が施行される2020年4月までに,全店舗を全面禁煙にする。同社はフランチャイズの55店と新業態を含む801店舗(2018年7月17日現在)を展開している。受動喫煙への対策強化に向け,全店で完全禁煙にする必要があると判断した。
▼ ジョイフル エリア別店舗分布
出典:株式会社ジョイフル ウエブサイト https://www.joyfull.co.jp/
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┗■ ジョイフル やじの穴見陽一衆院議員が代表取締役相談役
健康増進法改正に関する法案審議中に参考人のがん患者にやじを飛ばした,自民党の穴見陽一衆院議員が代表取締役相談役を務めるファミリーレストランのジョイフルは2020年4月までに,全国801のグループ店舗で全席禁煙を実施する。
現状,ジョイフルでは直営ファミレス店のうち全席禁煙を達成したのは約30店舗であるが,全店舗に拡大する。なお,喫煙者に配慮し,店舗内の一角か屋外に喫煙ブースを設ける。
ジョイフルは,穴見陽一氏の父・保雄氏が1976に前身の会社を創業。主要株主でもある陽一氏は社長や会長を歴任しており,現在は妻・くるみ氏が社長である。
◆ 株式会社 ジョイフル
出典:株式会社ジョイフル ウエブサイト https://www.joyfull.co.jp/company/profile/
株式会社ジョイフルは,本社を大分県大分市に置き,九州を中心にファミリーレストラン「ジョイフル」をチェーン展開するチェーンストアを子会社に持つ持株会社である。 福岡証券取引所単独上場銘柄の一つである。
事業内容: ファミリーレストラン「ジョイフル」のチェーン展開
創立日: 1976年(昭和51年) 5月20日
所在地: 〒870-0141 大分県大分市三川新町一丁目1番45号
資本金 60億円
売上高推移
580億円(2013年12月期)
593億円(2014年12月期)
628億円(2015年12月期)
645億円(2016年12月期)
656億円(2017年12月期)
店舗数 801店舗(新業態・FC含む)(2018年7月17日)
役員
代表取締役相談役 穴見 陽一
代表取締役社長 穴見 くるみ
専務取締役 國吉 康信
常務取締役 小野 哲矢
取締役 初田 誠二
取締役 山本 慶次
社外取締役 南 勲
従業員数: 正社員 1,452名(連結・2017年12月末現在)
パート・アルバイト:約7,610名(連結・2017年12月末現在)8時間換算
経営理念: 『私達は,チェーンレストラン事業を通じ,顧客・株主・従業員・取引先・社会の精神的・物質的幸福を調和させ,その安定的増進を実現します』
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>>>健康増進法
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法は7月18日,参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行する。学校や病院,児童福祉施設,行政機関などは敷地内を禁煙とする。屋外に喫煙場所を設けることはできる。喫煙できる場所には20歳未満の客・従業員は立ち入れない。屋外や家庭は周囲の状況に配慮すれば喫煙できる。
政府は当初,飲食店に対し例外なしの禁煙を目指したものの,たばこ産業や飲食業への影響に配慮する自民党内から反対論が出て,例外措置を広く認めることになった。
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飲食店を原則屋内禁煙として,客席面積が100平方メートル以下の小さな店舗や個人経営の既存店は例外とし,「喫煙可能」と標識で示せば喫煙を認める,という内容を盛り込んでいる。
すなわち,個人や資本金が5千万円以下の中小企業が経営する既存の小規模店舗は対象外とする。業界では「全面禁煙になれば喫煙の常連客を失うことにもなりかねない」との危惧感がある。
>>>東京都の受動喫煙防止条例
東京都では受動喫煙防止条例が6月に成立し,政府よりも厳しい対策が導入される。都内の飲食店は面積に関係なく規制の対象とする。従業員を雇う店は原則屋内禁煙で,煙を遮断する専用室を設ければ喫煙を認める。従業員のいない飲食店は屋内の禁煙,喫煙を選べる。小中高校や保育所,幼稚園は敷地内禁煙とし,屋外の喫煙場所の設置も認めない。