ロバの耳

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こんな事ってある?part 2

2022-12-04 23:18:00 | 日記
施設では昔は資格なくても介護スタッフが
吸引という医療行為をしていました。
違法性の阻却と言うそうです。

高尾(仮名)さんと言う男性の入居者。
認知症で徘徊や暴言、暴力と
まぁ、あるあるな話ですが
90歳代のおじいさん。

ある時に軽い肺炎を患い入院されました。
その人の息子さんは東京に住んでおり
施設までは関東と関西と言う距離にもかかわらず、退院の日には来てくださりました。

施設に来てくれた時に息子さんは
深々と頭を下げて
👨‍🦳「父が大変ご迷惑をおかけしています。
  退院にあたり、また施設のスタッフに
  迷惑をおかけしてしまいますが、よろし
  くお願いします。」と話されました。
👩「いえいえ、退院できて戻って来てくれ
  るだけで、私は嬉しいです。ありがとう
  ございます。何か変わった事あれば、
  電話させていただきますね。」

こんな感じで、家族さんと信頼関係を作り
大事な家族をお預かりするわけですから
安心して帰れるように、お声かけさせていただきます。



数日後に家族に申し訳ない事件が起こります。


朝の8時過ぎに私は出勤します。他のナースも同様で、だいたいこの時間には出勤しています。
当日は、私は休みでした。
突然施設から電話がかかってきました。

🧑🏻‍🦰「すみません、高尾さんが急変しました。
  呼吸停止です」
👩「え??どう言うこと?」
🧑🏻‍🦰「介護スタッフが朝ごはん食べさせている
  時に、ゴロゴロ言ってたから、吸引をし
  たらしいです。そうしたら、呼吸が止ま
  りそうだとコールがあって…」
👩「え??吸引って、勝手にしたの?報告
  あったの?」
🧑🏻‍🦰「なかったです。吸引の資格(平成24年に
  移行期間として、医療的ケアの指導看護
  師から14時間の研修を受けた人がもらえ
  る資格)を持ってるみたいですけど」
👩「すぐに救急車呼んで!!すぐに行くか
  ら!家族に連絡してきください!」
🧑🏻‍🦰「わかりました」

その後、救急車より先に到着し、現状報告を受けました。救急車が来るまで心臓マッサージを続けてもらい、当事者である介護員からも事情を聞きました。

🧓「朝ごはん食べさせてたら、ゴロゴロ言っ
  てたから、吸引したら、とれると思っ
  て…。ナースに連絡するほどではないと
  思ったからしませんでした。そうした
  ら、みるみるうちに顔面蒼白になったの
  で、医務にコールしました。」
👩「…😠なぜすぐに看護師に連絡しなかっ
  たんですか?そもそも介護士さんは吸引
  はしてはいけない事になっていますよ
  ね?昔はしていた事もありましたが、
  平成24年に社会福祉士及び介護福祉士法
  の改正で、厳しくなりましたよね?それ
  は、研修で私は伝えたはずですが??」
🧓「そうでしたか?覚えてません」

この介護士は、この先も長い事いろんなことをやらかしていきます💢その話はまた次に…

その後、救急車が到着し心臓マッサージしながら病院に搬送されましたが、その人は亡くなりました。おそらく窒息死ではないかと、死亡診断していただいた医師に言われました。気管に食物残渣が詰まっていたそうです。

おそらく…ですが、吸引チューブを口の中にいれる時に、口の中に溜まっていた食べ物をかき出さずに、吸引してしまった事が原因かな?と推測しました。

東京の息子さんにはお会いできませんでしたが、電話にて詳細を伝え謝罪をしました。
息子さんからは
👨‍🦳「スタッフさんには、本当に良くしてもら
  いました。いつも笑顔で、父の近況も教
  えて下さり、感謝しかありません。父も
  大往生だと思っていますよ。ありがとう
  ございました。」

このお言葉をいただき、涙が止まりませんでした。
これは医療事故です。家族が訴えたら100%負けます。それにもかかわらす、怒るのではなく、感謝の言葉をいただけるとは思いませんでした。

吸引と言う医療的ケアは、人を死なせてしまう可能性がある行為なんだと、私はこれから医療的ケアを学んでいく介護士に伝えていかなければならないと強く感じました。

ちなみに今、副業で実務者研修の医療的ケアを担当して、介護士さんに伝えて行っています。1人でも医療事故で亡くなる人が減りますように。1人でも多くの人に医療的ケアの技術が伝わりますように。
この事故は私の人生を変えるものになりました。


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