2006年、エルトンは1975年に出したCaptain Fantastic And The Brown Dirt Cowboyの続編とも言われる自叙伝的な作品、The Captain And The Kidを出した。
前作はメジャー・デビュー前後の1967年からその数年後までが描かれているが、続編は1970年から2005年あたりまでの35年間における彼らのクロニクルと呼べるものである。
Postcard From Richard Nixsonは1970年3枚目のアルバム、Tumbleweed Connection を出した後、憧れのアメリカ、ロス・エンジェルスに進出。宣伝を兼ねて赤いダブル・デッカーのロンドン・バスに乗り込んだり当時大統領だったニクソンの”ようこそアメリカへ”などの思い出が語られる。
2曲目のJust Like Noah’s Arkはノアの方舟で導かれた如く一気に成功の階段を上り詰め、Wouldn’t Have You Any Other Way(NYC)でアメリカのシンボル、ニューヨークに上陸。ただ成功するスピードがあまりに早すぎてそれに対応できずに挫折も味わうことに。
4曲目のTinderbox(火口箱)2枚組のアルバム、Blue Movesが出た1976年からその数年後のそろそろ音楽活動が煮詰まって下手をすれば一色触発で終了って曲で、バーニーがエルトンへの作詞の提供を終わらせた。
本作には音源が収録されていないがAcross The River Thamesでは80年代初期にはパンクやMTV など新しいトレンドとなり、その変化を受け入れあれこれトライすることに。And The House Fell Downでは精神的には落ち着かないもののバーニーも戻ってきて活動を続け90年代へと向かう。Blues Never Fade Awayで過去に回帰しある程度自信を取り戻す。
Bridgeは橋を渡るのは常にリスクが伴うがなんとか90年代生き残ってきたことがテーマ。
I Must Have Lost It On The Windでは何とか生き延びたものの失うものも多かったことが歌われ、Old67ではバーニーとのデビュー前のおもいでが語られ、The Captain And The Kidでエルトンはロケット・マンに、バーニーはカウボーイになった経緯が描かれている。
そして最後の曲、12には何故かバーニーの詩だけが記載されたのみ。なんとなくバーニーの締めくくり方がこれでお終いって感じだったのでエルトンがメロディーを付けずに曲を完成させなかったのかな?
それでもバーニーは次作でも詩を提供しているのでまあ一安心。
ちなみにこのアルバムはヒットを狙ったものではなく、またシングル・カットもされずエルトンのアルバムの中では結構地味な存在ではあるが、曲の背景を理解しながら彼らのクロニクルを辿りながら聴き込んでいくと結構味わいの深いものとなる。
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