ロジャー・マッギン、クラレンス・ホワイト、スキップ・バッテンとジーン・パーソンによる4人組バーズの最終アルバム、Farther Alongが1971年11月にアメリカで発売された。
前作のByrdmaniaxの発売から僅か6ヶ月という短いインターバルでの発売となった。
前作の制作においてプロデューサー、テリー・メルチャー主導のオーバ・ダブがメンバーの賛同を得ずに加えられた事によって、メンバーが反発。バーズ本来の音楽性とは異なると言うメンバーの考えからそのイメージを回復するため、大至急ニュー・アルバムを制作することに。
1971年7月にイギリスのフォーク・フェスにバーズが参加する事になり、その合間を縫って急遽ロンドンのスタジオで新曲の録音を5日間で完成。テープをアメリカに持ち帰り最終のミックス後、11月にアルバム発売となる。
ただアルバムは全米152位・全英はチャート・インしなかった事から失敗作と見做された。
アルバムは十八番のカントリー・フォーク・ロックからチャック・ベリー風のロックンロールとバラエティーに富んでいてシンプルなバーズのバンド・サウンドが楽しめる作品ではあるが、個人的にはこのアルバムの早期製作の引き金となった前作の独断的なオーバー・ダブに関する彼らの不満がちょっぴりオーバー・リアクション気味だった様にも感じる。
アルバム収録時間がたった32分と後何曲かはアルバムに盛り込める余地があるので、もしシングル・ヒットが期待できるバーズらしさが出た曲を数曲盛り込めば状況は一変したのでは無いかと。
また急いでアルバムを制作したからなのかは分からないが、ジャケのデザインもやっつけ仕事感漂うセピア色の全くアピールしない地味なやつ。
方向性は間違っていなかったので、もう少し時間をかければよかったのに…
アルバムの売れ行きが芳しくなく、初回プレスが少なかったのか アメリカでは "Requested By Popular Demands"と記載されたLimited Editionの再発盤LE10215が後に発売された。
それにしてもレーベルが地味な焦茶色と相変わらずアピールしていない。
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