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観たか? 聴いたか? 問答無用のハイブリッド・ハード・ロック !、レッド・ツェッペリン IV

2015年05月20日 | LED ZEPPELIN関連
レッド・ツェッペリン III の出来に自信を持っていたジミーペイジは III が II の売り上げと比較すると思ったほど売れずに不満を感じていたと思われます。

レッド・ツェッペリン IIIを今聴いても、個人的にはアコースティックな曲を含めて非常によくできたアルバムと思います。すなわち、その比較があくまでもスーパーアルバムだった IIと比べてであって、 現実的にみれば全米と全英ともに1位になったトップセラーのアルバムなので、なんとも贅沢な不満だったと言えるでしょう。

売り上げの減少は、III が II の続編のハード・ロック路線になるであろうとと期待して肩透かしを食らった人たちの反応だったのでしょう。それによってレッド・ツェッペリンのメンバーのプライドが傷つけられたかどうかはわかりませんが、少なくとも次作の問答無用のアルバムを作るモチベーションになったのではと思われます。

III を発売後1年以上、新譜の発売やツアーなど表舞台から消えるというリスクを犯し、ついに1971年11月に発売されたのが、彼らの4枚目の“名無しのアルバム”です。レコード会社の反対を押し切って、アルバム・タイトル、バンド名や管理番号の表記が全くなく、またメンバー自身の写真もなく名前は記号表記という前代未聞の発売形態をとりました。よっぽど自信があったのでしょうね。

アルバムの印象を簡単に述べると、更に進化したエレクトリックとアコースティックサウンドの融合により、彼らのマスターピースと言える新しい新種のロック・アルバムが完成したと言えるでしょう。 あまりにも有名な曲ばかりですので個別の曲の解説は割愛し、別の興味深い点について書き記します。

まず、天国への階段という曲の構成は、前半のアコースチック・ギターのサウンドから後半のエレクトリック・ギターのサウンドにと転換していきます。

スタジオではオーバー・ダビングで録音ということになりますが、ライブでの再現で登場するのがあのGIBSON EDS-1275のダブルネック・ギターです。IV 発売後のライブから使われ、ジミー・ペイジのトレード・マークとなります。かっこいいですね~。

その後ダブルネックが多くのミュージシャンによく使われるようになったのはご存知の通りで、私の時代でよく思い出されるのは、マハビシュヌ・オーケストラのジョン・マクラフリン、WINGS OVER THE AMERICAでのデニー・レーン、ラッシュのアレックス・ライフソンーなどなど、またYESのスティーブ・ハウはダブルネックの印象はなく、ステージに固定したギターと肩にかけたギターを使い分け、そしてクリス・スクゥワイアは3本のネックを使用していたと思います。


それから、このアルバムは世界の販売累計で3700万枚を売り上げたスーパー・アルバムで、言うまでもなく 全英1位に輝いたのですが、全米ではどういうわけか2位止まりとなっています。

何が彼らの指定席である全米1位を邪魔したのか調べてみますと、
1971年11月:サンタナ3
1971年12月:スライ&ファミリー・ストーンのTHERE’S RIOT GOIN ON
1972年1-2月:キャロル・キングのMUSIC
1973年3月:ドン・マクリーンのMERICAN PIEとニール・ヤングのHARVEST
1972年4月:アメリカのデビューアルバム、AMERICA
1972年5月:ロバータ・フラックのFIRST TAKE
1972年6月:ジェスロ・タルのTHICK AS A BRICK
1972年6-7月:ストーンズのEXILE ON THE MAIN STREET
1972年7-8月:エルトン・ジョンのHONKY CHATEAU
1972年8-10月:シカゴのCHICAGO V
1972年10-11月:カーチス・メイフィールドのサントラ、SUPERFLY
1972年11月:キャット・スチーブンスのCATCH BULL AT FOUR CHATEAU
1972年12月:ムーディー・ブルースのSEVENTH SOUJORN

なるほど、全米1位の入れ替わりは非常に激しく、英国勢が結構検討しているのとアメリカ人の好みがわかり興味深い結果です。  

タイミングが悪く全米1位は達成出来なかったものの、この問答無用の“名無しのアルバム”によってアルバム売り上げナンバーワンとコンサートが常時満杯となり、次回のアルバム制作も彼らの主導と成ります。

Led Zeppelin - Rock And Roll



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