雨

雨
この春先の雨は冬の崩落と大地を緩ませ、萌えを告げる。
「雨か、嫌だな・・・そう思う反面」この時期の雨を見ていると不思議と心が和らいで、雨後の後に訪れる萌の表情にわくわくする。
雨が降るたびごとに、この自然界において樹木の新芽は大きく育ち、花の蕾は膨らみ、
開花させながら新しい命へと繋いで行く春が始まる。

雨

感情を露わにさせながら
激しく降るでなく

静かにリズミカルに降る雨
いま
この雨は低い山の雪を融かし
街の強張った大地を緩め

セピアを表替えで緑に替え
樹木の新芽を育み
花の蕾を膨らませ
彩を促す春の雨

この雨空いまは時のひと。

雨に濡れ　見据える先の　桜かな