「早起きは三文の徳」と言うが、私は「早起きして猫に会う」が正解だと思う。
朝日を浴びた猫達は、本当に美しいからだ。
近所の書店の開店の時間にはまだ早い。
少し散歩でもして時間を潰そうと歩いていたら、
築十五年位のマンションの広い駐車場に雌ライオン…いや、アビシニアンを発見。
血統書付きの外国猫はすっきりとした体型で小顔、雄か雌かもわかりにくい。
雌ライオンにも見えるこの猫は、やはり雄だった。
青地に小さな白い水玉模様の首輪が見える。
飼い猫は人馴れしているので、初対面でも近付き易い。
「写真、撮っても良い?」猫に聞いてみた。
猫はゆっくり近付き、タイヤ止めのブロックに前足を掛けてポーズを取った。
次は車の下の日陰へ移動し、くつろぐ。不思議な猫だ。
血統書付きの高価な飼い猫なら、部屋から出してはもらえなさそうなのに、
飼われていても外出許可のある猫の様に外に居る。
しかも、そこら辺の野良猫以上に痩せている。
撮影のお礼にキャットフードを出すと、風に飛ばされそうな位細い体で近付いて来る。
嬉しいのか、鼻炎なのか、鼻息が荒い。
それにしたって、折角の端整な顔立ちが台無しだろう。
フガフガ言いながら動く姿は、猫でなく『宇宙人』みたいだった。
マンションの駐車場で、世界征服を企んでいたのかもしれない。
←あなたの隣の宇宙人に、ポチっと応援お願いします。