路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

宇宙人

2007-12-30 | 『宇宙人』

「早起きは三文の徳」と言うが、私は「早起きして猫に会う」が正解だと思う。

朝日を浴びた猫達は、本当に美しいからだ。



近所の書店の開店の時間にはまだ早い。

少し散歩でもして時間を潰そうと歩いていたら、

築十五年位のマンションの広い駐車場に雌ライオン…いや、アビシニアンを発見。

血統書付きの外国猫はすっきりとした体型で小顔、雄か雌かもわかりにくい。

雌ライオンにも見えるこの猫は、やはり雄だった。

青地に小さな白い水玉模様の首輪が見える。

飼い猫は人馴れしているので、初対面でも近付き易い。


「写真、撮っても良い?」猫に聞いてみた。

猫はゆっくり近付き、タイヤ止めのブロックに前足を掛けてポーズを取った。

次は車の下の日陰へ移動し、くつろぐ。不思議な猫だ。

血統書付きの高価な飼い猫なら、部屋から出してはもらえなさそうなのに、

飼われていても外出許可のある猫の様に外に居る。

しかも、そこら辺の野良猫以上に痩せている。

撮影のお礼にキャットフードを出すと、風に飛ばされそうな位細い体で近付いて来る。

嬉しいのか、鼻炎なのか、鼻息が荒い。

それにしたって、折角の端整な顔立ちが台無しだろう。

フガフガ言いながら動く姿は、猫でなく『宇宙人』みたいだった。



マンションの駐車場で、世界征服を企んでいたのかもしれない。



 ←あなたの隣の宇宙人に、ポチっと応援お願いします。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 帰る家 | トップ | 三匹の侍 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

『宇宙人』」カテゴリの最新記事