路地猫~rojineko~

路地で出会った猫と人。気付かなければ出会う事のない風景がある。カメラで紡いだ、小さな小さな物語。

里 子

2009-12-01 | 『小豆・米・大豆』



子猫が産まれてその路地へ行くのが

不謹慎ではあるが楽しみだった。




その日は、母猫『小豆』が路地の隅から出てくるのに

少し時間が掛かったけれど

母猫が出てくると安心するらしく、

ワラワラと可愛い子猫達も姿を現した。

この可愛い姿も、もう見納めになってしまった。



『黒豆』は3匹居たのだが、その内の1匹が

優しい里親さんに貰われていったのだそうだ。

そうこうしてる内に、

黒いのばっかりが全く姿を現さなくなってしまった。




知人の話に寄ると、

「巣立ちの時期も近かったし、黒猫女子部が先に旅立って行ったみたい

 白いのは草食系(男子)なのか、体は一人前にデカイけど出て行かんもんね」

…との事だ。





今時の…って言う程じゃないけど

動物の世界(勿論ヒトも動物だし)は

何のかんの言っても、

やっぱり雌が強いのかも知れない。今も昔も。





親猫の頭を撫でながら、

一向に撫でさせてはくれない白い息子を見て思う。

「そんなんじゃ、里親も見付からないよ」






心を許して貰えないのが

悔しいのは私だけではない筈だから。














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