ヒロヒコの "My Treasure Box"

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ローランド・アナログシンセサイザー JUNO-106

2017年05月03日 | シンセサイザー
 これが最近入手した楽器である。今現在もテクノ系に人気が高い、アナログの6音ポリフォニック・シンセサイザーJUNO-106。三十数年前、この楽器を借りてしばらく使ったことがある。その所有者から、このたび引っ越しすることになり、不要だからもらってくれ!との申し出があった。何とも嘘のような話である。もちろん喜んでその話を受け入れ、そして今目の前にこれがある。もしこれがオークションで入手したものだとしたら、大変な美品と言えるだろう。何よりもかつて自分が実際に使用した思い出の一品でもある。
   

 ここ数十年は全く電源も入れず使用していなかったそうだ。そして経年劣化によって不調になりやすいのがこのシンセの特徴である。現象としては6音ポリなので6つあるカスタム・チップ(発信器)がだめになる場合が多いそう。そんな情報が耳に入っていたため電源を入れるまで不安が大きかったが、幸い問題なく発音してくれた。しかし、プリセット音がすべてクリアされていて、また作った音色の保存ができなくなっていた。これは内蔵電池の消耗と考えられた。実際にカバーを開けて中を見てみると丸形電池を見つけることができるのだが、これが基盤に直付けされていて、交換するためには技術と工夫が必要。さすがに力不足であった。自前の修理は無理であると判断し、東京のオープンエアースタジオさんに依頼した。本工房はJUNOの修理に関しては様々に対応できるとのことで、見事復活して戻ってきた。
   

 JUNO-106は前面パネルのスライダーやスイッチを操作して音を作るシンプルさがとても良い。ソフトシンセを含めデジタル系のシンセはほとんど音を作ることがなくプリセット音のみを使用していたが、この106では音色作りが実感できるのである。ADSRの波形やフィルターの掛け具合など、かつてはこの楽器をとおして学んだものである。そして、内蔵されたコーラス。それによって作られたパッド系、ストリングス系の音が抜群に良い。DX7のブラス音とMIDIでミックスしたサウンドは本当に素晴らしいと思う。このパッド音が好きで後にα-JUNO 2を購入した私だが、今2台を聞き比べてみるとよく似た音色を出すということが改めてわかった。従ってα-JUNO 2も一生キープである。(何でも"フーバー音"というシュパシュパした音を生み出すシンセとして一部のミュージシャンから重宝されていると言う。)
   


 SE-50 による空間エフェクトを加えながら、古き良き時代の良きサウンドを奏でてくれるJUNO-106。いつ壊れるかわからないというスリルを感じながら、大切に使っていこうと思う。

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