“The Lamb Lies Down On Broadway” Tourのライブ音源は遙か昔から聴いているが、当初はオーディエンス音源のものが多かった。その後1998年にリリースされた「Genesis Archive 1967-1975」でようやくサウンドボード録音による演奏を聴くことができたものだ。それはまるでスタジオ録音であるかのように演奏も音も良かった。しかし、その音源は最終曲のItがテープ切れ?で収録されず、そのためメンバーが集結してその曲だけを再録したという嘘のようなおまけトラックが付いていた。それもとても素晴らしい演奏だったので文句のつけようはないのだが、ステージの完全ライブ収録という点では不完全だった。そして本アルバムにはラジオ番組 King Biscuit Flower Hour 用に12月17日のニューヨーク州ロチェスターにて演奏された Broadway全曲+The Musical Boxが収録されている。
以前ここで紹介したように、私はThe Lamb Lies Down On Broadwayというアルバムのクオリティの高さ、素晴らしさを評価している。それをステージで再現するのは大変な作業だったことだろう。何せ1974年は5月まで前作アルバムのツアーをしていて、そして11月からラム・ツアーが開始されたのだから。それにもかかわらずその間にニュー・アルバムを完成させ、3枚をシンクロさせ映し出される千枚以上に及ぶスライドやピーターのコスチュームを準備し、レーザーをも用いた本番での演出や語り、それらがトータルに重なり合ってこのツアーが成り立ったのだろう。ぜひとも映像で見たかった。しかし、それは叶わないからこの音源を聴きながら想像力を働かせよう。そうするに充分な演奏をこのCDでは聴くことができる。
だが、こうした音源が出されると、実は個人的にはBBCで放送された音源が最高だと思っている。今後それの全曲版がリリースされないものだろうか!?
(↓写真家アーモンド・ギャロ氏発行の写真集からブロードウェイ・ツアーのショット)