ザ・ビートルズのオリジナル・アルバムを50年後のリリース同日にアナログで聴くという追っかけイベントを行った後、うっかりしていた。今から50年前の1970年代前半はプログレッシブロック全盛の時期で、名盤と思われるレコードがたくさんリリースされていたのだ。このことに気がついたものだから、我が家にあるアナログ盤を元に50年後の追っかけプログレを実行してみることにしたい。
1回目として今回針を落としたレコードはジェネシスのThe Lamb Lies Down on Broadway(邦題「幻惑のブロードウェイ」)である。このアルバムは74年11月22日にリリースされたそうだ。時期もまさに50年前である。そして私はこのアルバムをイギリス盤で購入した。詳しい状況は忘れてしまったが、東京のレコード店に通信販売で申し込んだと思う。当時はすでにジェネシスの大ファンだったので、この新譜は何としても早く手に入れたいと動いたのだろう。
改めてマトリックス等を確認すると2枚組4面すべてが2Uとなっている。ネット情報を探るとそれは初期プレスであるそうだ。リリース直後の購入ではあったので当然そうなのだろう。改めて針を落としてみると、クリアではっきりした音が聞こえる。ただ残念なのは薄くブーンという音がサウンドの向こう側に鳴っていること。これは以前このアルバムを本ブログで紹介した時にも文藝別冊「ジェネシス〜幻惑のシンフォニック・ロック」中の記事を引用し触れたことではある。(同誌で井上肇氏が「残念なのは全編に渡って50HZのノイズ(低レベルではあるが)が混入していることだ…」と指摘している(p.172))。まあ、演奏が始まると楽曲の良さに引き込まれてしまうのでそれほど気にはならない。リリース50年後の22日(日本時間)に久しぶりに通しで聴いたのだが、多彩な曲とそれに伴う多彩なアレンジ、そして全てピーター・ゲイブリエルが手がけたという詞と物語。2枚組のコンセプト・アルバムとして傑作以外の何物でもない。
なお、オフィシルのジェネシス・ストアのアナウンスによると、The Lamb Lies Down On Broadway 50th Anniversary Super Deluxe Edition とのタイトルでLP+Blu-ray及びCD+Blu-rayのボックス・セットが来年2025年3月に発売となるようだ。
※このアルバムを紹介した以前の記事はこちらです。