ヒロヒコの "My Treasure Box"

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ジェネシスのアナログ盤 GENESIS LIVE 「ジェネシス・ライブ」

2016年06月17日 | プログレ
 本来ラジオ番組用の録音でありメンバーが出すのを望んだアルバムではない、音質があまり良くない、などと言われているが私はこのライブ盤が大好きだ。

 記憶ではアルバム「月影の騎士」リリースの頃に併せて購入したのではと思う。メロトロンの出だしと同時に拍手や歓声が沸く一曲目のWatcher Of The Skiesなどはスタジオ版より気に入っている。続くGet’em out…やThe Return Of …のようなストレートなロックでのゲイブリエルの表情豊かな歌唱、B面に入ってMusical Boxでの12弦ギターを用いた緩急ある演奏、そして何と言ってもラストのThe Knifeはハケットとコリンズが加入してからの演奏でスタジオ版とほとんど変わらないアレンジなのに迫力が倍増、など私にとっては魅力満載の内容なのである。いや厳密にはTrespassもNursery Crymeもこのライブ盤の後に聞いたのだから、私にとって初期ジェネシス・サウンドの原点はこのアルバムにある。

 当時購入したのはUS盤だった。FoxtrotのUS盤と同じBuddahレコードのカリスマ・レーベルなのだが、私が所有する中で唯一のピンク・レーベル(CAS1666)である。そして後に手に入れたのはマトリクス両面1U、ビッグ・マッドハッターのUK盤(CLASS1)。両者を比較してみると、まずジャケットはUS盤の方の紙質が固く丈夫な作り。音質的にはどちらも迫力あるサウンドであまり相違はない。元々がそれほど高音質ではないこともあるだろうが、ライブ盤として楽しむにはどちらも充分である。(もっともUK盤は高くついたが。)

 先に述べたが、彼らはスタジオ録音と変わらないアレンジで演奏するバンドであることがこのライブ盤を聞いてわかる。後のコリンズ時代にはメドレーに組み直す演奏もあったが、少なくともゲイブリエル時代は「幻惑のブロードウェイ」も含めてアルバムの再現というスタンスだった。ところが曲以外の部分、例えばピーターのMCに対し観客が大笑いしている。このライブ盤でもB1の最初にペダルベースが鳴ったことに「今のはマイケル・ラザフォード氏のベースソロでした」と言って聴衆に受けている。曲間の楽器の準備にかかる時間を利用してピーターが物語を語り始め、やがて曲に合わせて扮装をするようになったという。これが彼らのライブがスタジオと違う部分である。本アルバムのジャケットにも箱や花をかぶったりコウモリに変身しているピーターの姿が見られるが、当時大いに興味を引かれたものだ。Genesis Liveをとおして益々彼らの存在感が増し、ジェネシスは私の最大限の興味を持つバンドとなっていったのである。

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