中玉のカブ三個が一束で売られている。その組み合わせは赤カブ一個と白カブ二個だ。これがスーパーだったら、「何だ、この組み合わせは!」とクレームがつくところだ。
しかし、ここは農協朝市、こんなことはザラだ。しかも、その価格が六〇円だったら迷わずゲットだ。
さて何にするかだ。漬け物に即断。しかも紅白もろともにだ。むろん葉や茎は捨てないで漬け込む。
即席漬け物器に切ったものを。カブの他には昆布の千切り、鷹の爪、柚子の皮。
塩加減はそうだなぁ、小さじに三倍前後か。
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一日目、水分が出てしっとりしてきた。試食。塩分は良さそうだがまだ発酵が不十分でうま味は出てきていない。
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二日目、しっとり感も進んでだいぶ旨くなってきた。あと少しだ。
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三日目、うん、旨くなってきた。もともと浅漬けだからこのへんでいいだろうとタッパーに移してあとは冷蔵庫で保管。
で、今回の共漬けの結果だが、三日目ともなれば、赤カブのみなら全体が真っ赤になるのだが、今回はそうではない。白カブも幾分は赤くなるが、「朱に交われば赤くなる」ほどではなく、元の白さを残してる。
それのみかその味わいも、赤カブが少しピリッと辛いのに対し、白カブは微妙な甘みを残している。
以上が、共漬け実験の結果報告だが、原価六〇円でここまで遊べてしまうのは、私の幼児性退行を示しているのではあるまいか。