蓼科浪漫倶楽部

八ヶ岳の麓に広がる蓼科高原に、熱き思いあふれる浪漫知素人たちが集い、畑を耕し、自然と遊び、人生を謳歌する物語です。

おけら  (bon)

2021-04-20 | 日々雑感、散策、旅行

       昨夜のニュースで、医療従事者でワクチン接種を1回でも終了した人は 19日時点で
      わずか 25%でしかなく、まだ接種票も届いていない医師が、高齢者のワクチン接種
      などを行っている‥そんな映像が流れていて驚きました。確か、2月から始められた
      のではないかと思いますが、なぜこんなことに? 
いったいどうなっているのでしょ
      うか! 

 

 昆虫の “ケラ”です。

 先頃(4/17土)の読売朝刊『動物日記』にこの「ケラ」が取り上げられていま
した。(記事:県生態系保護協会、慶野文枝氏) 休耕田の脇の野道を歩いている
とき、素早く移動する小さな生き物を見つけたそうで、ギザギザとしたモグラのよ
うな前足を動かし、器用に草をかき分けて進んでいる姿があり、ワクワクしながら
そっとつまんでみたそうです。

       ケラ
        (ネット画像より)

 この記事に、私は突然、子供のころにタイムスリップしてしまいました。小学生
か中学に上がる頃は、大阪市内もまだ畑などが少し残っていた頃で、このオケラを
あちこちで見かけたことがありました。夜などには、ジーと割と大きな声で鳴いて
いましたね。これは“ミミズが鳴いている”とも言われていましたが、実はオケラ
が鳴いているのですね。

 そのころ流れていたラジオのCMソングを、不思議なくらい今でもはっきりと覚え
ていて歌詞もきっちりと出てきました。

 ゆうべミミズの鳴く声聞いた あれはケラだよおケラだよ おけらなぜ鳴く
あんよガ寒い 足袋がないから鳴くんだよ オケラにあげよか 福助足袋を コハ
ゼが光るよ ちょっとごらん

 ちょっと調べたら、サトウハチロー作詞、三木鶏郎作曲で、昭和27年の福助足袋
のラジオCMソングでした。

        ケラ
        (ネット画像より)

 ウイキペディアによれば、『ケラ(螻蛄)は、バッタ目・キリギリス亜目・コオ
ロギ上科・ケラ科に分類される昆虫の総称。』『行動可能範囲をまとめると、地中
を掘り進み、水上を泳ぎ、空を飛び、地上を歩くと、様々な環境に対応しており、
昆虫界のみならず、生物全体から見ても、対応範囲が非常に広い生物である。』、
『オスは初夏によく鳴き、巣穴を共鳴室として使って、地中からにも関わらず、10
数m離れていても聞こえるほどの大きな鳴き声を響かせる。鳴き声は「ジー……」
とも聞こえる連続音。日本では古来「ミミズの鳴き声」と信じられてきた。メスも
鳴く』とあります。

        

 話は飛んでしまいますが、「虫けら」などといいますが、これは、虫全般を指す
言葉で、ここでいうケラとは関係はないのですね。
 また、所持金がない状態を「おけら」などと言ったりしますが、これは“遊泳、
疾走、跳躍、飛翔、鳴き声、穴掘り”など多芸だがどれも一流の能力でないとみな
して器用貧乏な様を指しているようです。「おけらの七つ芸」、あるいは「けら芸」
など、いずれもあまり良い意味に使われないともありました。

 もう一つ、大みそかの京都、八坂神社で火縄をくるくる回しているのを『おけら
詣り』というのがありますね。こちらは、白朮祭(おけらさい、をけらさい)とい
うそうで、一年の安泰を祈る神事で、古くは「祇園削掛神事(ぎおんけづりかけの
しんじ)」と称したとあります。 白朮はオケラ(植物)のことで、その根を燃や
したことから呼ばれているそうです。
(オケラはキク科オケラ属の多年草。近縁種と共に生薬として用いられる。また若
芽を山菜として食用にもする‥とあります。)

        

 

 今や、街なかはコンクリートですし、田畑も農薬などで荒れていますから、都会
の子供たちは恐らくこの昆虫の「オケラ」を知らないかもしれませんね。

 新聞記事の慶野氏の締めくくりです。
『手のひらに乗せ、そっと両手で包むと、前足で指の間をかき分けるその力強さに、
生き物の持つ生命力を感じた。』

 

 

 オケラの映像、鳴き声の動画がありましたが、福助のCMソングにしました。

福助足袋の歌(どなたになにを) - 岸井明

 

 

 

コメント
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