逃げる2月は、足早に過ぎて行きます。 寒さは一段と激しく日本海側はかってない
くらいの大雪に見舞われ大変な日々を送られています。 予報では急に気温が上昇する
とのことで、それはそれで結構ですが、積雪地方では今度は雪崩などの危険にさらされる
・・まだ少し気が許せない日々が続きます。
拙ブログでは、いつもの「言葉巡り」です。思いついた言葉をランダム取り上げていま
すが、お付き合いの程よろしくお願いします。
では・・・
・天秤 いきなり嫌な言葉を持ち込んでしまった! 何が嫌か・・といえば、語源が
はっきりしない上に、全体的に釈然としないのです。天秤というのは、少量の物体の重さ
を測る道具を意味しますが、もともとは「天秤ばかリ(秤)」というのが正しいが、秤秤
と続くので、一つにした・・とあります。天秤はかりで測るのは、もう少し厳密にいえば、
重さ(重力を加味した、単位ニュートン)ではなく重力に影響されない質量なんですね。
天秤は、棹の両端に皿を配して、一方に測定対象物を、他方に分銅を載せて左右水平に
なるときがその対象物の質量とするはかり方ですね。「平」というのは、穏やか、正しい、
等しい、正す、定める、分ける、配する‥などの意味を持ち、「秤」に近いかもしれま
せんが、「天」に至っては おおぞら、高い、尊いなどの意味となり、今一つこの「天」に
ついて理解しにくいところがあるのです。
天秤
(ウイキペディアより)
懐かしい体重計 (てこの原理を応用して・・)
(ウイキペディアより)
天秤は、その仕組みから、質量計だけでなく、魚釣り具にも天秤があるほか、天秤棒が
あり、ミシンの部品にも天秤があります。 また、二つのうちどちらかを選ぶとき、両方
の優劣、損得などを比較することを「天秤にかける」とも言いますね。
余談ながら、神話にある剣と天秤を持った「正義の女神」は、最高裁判所や法曹ビル
などに飾られていたり、弁護士バッジにも女神の天秤が描かれているそうです。
正義の女神
(123RFより)
。
・津波 東日本大震災の動画はすさまじい光景を映していました。恐ろしい津波は、
地震や火山活動、山体崩壊に起因する海底・海岸地形の自然環境の急変により、海洋に
生じる大規模な波の伝播現象である(ウイキペディア)。 どうして津波というのでしょ
うか?
「津波」の語は、通常の波とは異なり、沖合を航行する船舶の被害は少ないにもかかわ
らず、港(津)では大きな被害をもたらすことに由来する、とあります。つまり、「津」
(港)で大きな破壊力を持つ波を意味しているのですね。津波は、沖合から海岸に近づき
海底が浅くなるにつれて波高が高くなり、海岸線では沖合の数倍に達する とあります。
「津波(浪)」の語が文献に現れる最古の例は 1611年12月2日に発生した慶長三陸
地震についての記述があるそうですが、欧州などは殆どないこともあり20世紀後半以降
"Tsunami"は世界共通語になっているそうです。
また、「津波(浪)」の他に「海立」、「震汐」、「海嘯」と書く場合があり、これら
すべて「つなみ」と訓む とあります。
津波(波高と進行速度)
(ウイキペディアより)
・外郎 和菓子の「ういろう」です。米粉や小麦粉に砂糖や水を練り、蒸して作られる
和菓子です。もっちりとした食感と優しい甘さが特徴で、羊羹に似た見た目をしています。
これまで、この外郎(ういろう)は、名古屋の名物(特産品)かと思っていましたが、
そうではないようですね。小田原や京都、山口なども良く知られているそうです。
で、このような和菓子が、なぜ「ういろう(外郎)」なんでしょうか? どうも人の
名前が由来のようです。
中国、元の時代に陳という人がいて、その人は「礼部員外郎(れいぶいんがいろう)」
という役職についていましたが、その後日本に渡って、役職を自分の名前に変えて「外郎」
とし、読み方も「ういろう」と名乗ったそうです。外郎家は代々医療職を営み「透頂香」
(とうちんこう)という薬を売り歩いたそうです。
透頂香は仁丹に形状や原料が似ているとあり、当時これがよく売れたそうです。頭痛や
咳、腹痛などに効いたとされ、重宝されたそうですが、いつしかこの薬のことを製造者の
名前「ういろう」と呼ばれるようになったとか。 外郎家は、はじめ京都で創業したそう
ですが、そのうち小田原に分家し、現在もこちらで製造されているとあります。 そして、
和菓子のういろう は、色合いが薬の透頂香に似ていたところから、同じ名前で呼ぶように
なり、漢字も「外郎」が充てられたとあります。 なんだか持って回ったような感じです
が、いくつかのネット記事にありました。(出所は同じかも?)
私はそれほど好きではありませんが、子どもの頃、ときどき「青柳ういろう」がお皿に
載って出てきましたね。当時おふくろなどは好物のようでした。
和菓子は、棒状のものが多いですが、三角に切って小豆を載せた「水無月」や笹の葉で
包んだ「外郎ちまき」なども親しまれているようです。
ういろう
(ウイキペディアより)
・ちり ふぐちり や たらちり の「ちり」を取上げているのですが、これらの鍋の
ことをなぜ「ちり」というのでしょうか? 沸騰したお湯の中に白身魚の切り身を入れる
と、ちりちりと身が縮まるさまからとの由来だそうです。縮む現象からの言葉なんですね。
上の「ういろう」の名の由来とは大いに違いますね。
白身魚・野菜・豆腐などを湯で煮て、ポン酢醤油をつけて食べる鍋料理で、寒い時季に
鍋を囲んで一杯やるのは、何とも穏やかでいいですね。 ふぐちりを関西地方で「てっ
ちり」と呼んでいましたが、これにも謂れがあるようです。
豊臣秀吉は、命を落とす危険があるからフグを食することを禁じていました。江戸時代
になっても、この習慣は続いていたそうですが、このフグのことを、隠語で「鉄砲」と
呼んで、「てっぽうのちり」→「てっちり」となったそうです。フグも鉄砲もめったに
当たらないが、当たると命を落とす・・から、てっぽうと呼んで、禁止されたフグを食し
たのですね。「てっさ」は鉄砲の刺身ですね。
(みんなの今日の料理より)
エビチリ・・といえば、エビをトウガラシの辛味を付けたトマトケチャップなどと炒め
た中華料理の一種ですね。ここでの「チリ」はチリソースを略したものですね。 また、
ややこしいですが、中南米原産のチリペッパー(唐辛子)を材料として、ひき肉・たま
ねぎを炒め、そこにいんげん豆など、トマト、チリパウダーなどの香辛料を加えて煮込ん
だ「チリコンカーン」という料理があります。代表的なメキシコ料理とあります。
この他、チリ・・という南米のアンデス山脈沿いの細長い共和国があります。 標高
5,640mのチャナントール山の山頂に、ギネス世界記録に認定されている「世界一高い
アタカマ天文台」があります。
・察 警察、検察などのあの「察」です。 察ってどんな意味があるのか気になったの
です。 goo辞書から、①あきらか。あきらかにする。よくみる。くわしく調べる。しる。
「察問」「観察」「診察」 ②おしはかる。思いやる。「察知」「拝察」 とあります。
なるほど! そういうことなんですね。 ところで、察の字を分解すると、ウ冠に祭り
の字の組み合わせで出来ていますが、祭りとどのような関係があるのか? やや分かり
ずらいですが、ありました。
まず、祭りの漢字は、タの中に点がもう一つで肉を表し、又は右手を表しているのだ
そうです。示はテーブルのことで、つまりは、台の上に肉を盛って神様にお供えする‥
そのような意味なんだそうです。つまりは神様にお供えして、ご機嫌を取る、ということ
のようなんですね。で、察は、祭にウ冠があるので、祭りを家の中で行うとの意味から、
神様の考えを推し量るとして、「察する」となるとあります。
まぁ、少しこじつけのきらいは否めませんが、言葉というのは長い年月を経て、状況や
習慣あるいはちょっとした思い付きから慣れ親しむうちに「言葉」となって伝わってきて
いるのでしょうね。
辞書に、「察」の下付きの言葉がたくさん並べられていました。 監察・観察・警察・
検察・考察・査察・視察・巡察・診察・推察・省察・偵察・洞察・拝察・明察・・
最後に、「見る」「観る」「察る」は、いずれも「みる」と読みますが、以下のような
違いを述べられていました。
・「見る」は、対象を無意識に視界に入れた時に使用し、対象の存在や状態を認識する
ことです。テレビを何気なく見る場合は「見る」、しっかりと視聴する場合は「観る」
・「観る」は、対象を意識的に視界に入れた時に使用し、対象を理解しようと能動的に
見ることです。野球の試合を球場へ行って「みる」時には、「観る」
・「察る」は、物事を丹念に調べる、細かく観察するという意味です。
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